B3-05 誠忠義臣名々鏡 い 大星由良之助良雄

絵師:国芳、芳鳥女
出版:安政4年(1857)
判型:大判錦絵
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0223-01

 義士銘々を描いた揃物。画面右上に表題「誠忠義臣名々鏡」の文字と二ッ巴をあしらった刀の(つば)の形のコマ絵、その左に国芳娘の(よし)鳥女(とりじょ)芳女(よしじょ)が描くさまざまな形の額のコマ絵を配し、それらの下の隅切方形の枠内に主題となる義士たちを討入り姿や銘々伝に基づいて描くという画面構成となっている。

 由良之助はシリーズ第1図「い」で、庭の松の枝につり下げた陣太鼓を打ち鳴らす姿。陣太鼓の胴には「命義依軽」(いのちぎよりかるし)の文字が書かれている。芳鳥女筆の額のコマ絵には将棋の駒が描かれる。「王将」を先頭に多数の駒が寄りかかる様は由良之助と義士たちを、「王将」駒の前に倒れている「悪将」駒は師直を象徴しているのであろう。また額には梅屋の狂歌が書き添えられている。