B2-20-20 誠忠大星一代話 三十一

絵師:豊国〈3〉
出版:弘化4年(1847)~嘉永1年(1848)
判型:大判錦絵
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP0696

 
 亡君菩提所"仙鶴寺"へと向かう、引き揚げの途次である。その尋常でない出で立ち故に、由良之助ら義士一行が、辻番所で呼び止められている。しかし、由良之助が姓名を明らかにし事の次第を語るや、感激した役人たちは、義士をねぎらった上で道を通したとする。義士の討入が広く迎えられたことを示す場面であろう。由良之助は11代目守田勘弥の似顔である。

 守田勘弥(森田勘弥)〈11〉
1800-63。3代目坂東三津五郎養子。初名2代目坂東簑助。前名4代目坂東三津五郎。俳名秀朝・是好・佳朝。屋号大和屋。天保3年(1832)4代目三津五郎を襲名。和実と所作事を得意とし、実悪も兼ねた。嘉永3年(1850)11代目森田(かん)()を襲名。安政3年(1856)5月森田座を再興し、安政5年座名を守田座と改めたのにともない名跡も守田勘弥と改めた。天保年間から中風にかかり、晩年になっても"よいしょよいしょ"と舞台に上がり続けたので「ヨイ三津」とあだ名された。