B2-20-09 誠忠大星一代話 十五

絵師:豊国〈3〉
出版:弘化4年(1847)~嘉永1年(1848)
判型:大判錦絵
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP0680


 京都島原の柏木太夫のもとに日夜通い続ける由良之助。放蕩三昧と見せて、実は枕を交わさぬ訳を柏木に問われて、答えをはぐらかす場面。ちなみに、一筆庵は、別の揃物「誠忠義心伝」においても、柏木太夫について記している。そこでは、柏木は後に由良之助の碑を建立し、一周忌には「過し春思ひ出れば袖ぬれて言の葉(ぐさ)に花ぞ咲ける」の歌を手向けたとする。由良之助は初代市川男女蔵、柏木は5代目瀬川菊之丞の似顔である。 

 
 市川男女蔵〈1〉 
1781-1833。2代目市川門之助の子。初名市川弁之助。後名市川弁蔵。俳名新車・海丸。屋号滝野屋。5代目市川団十郎の門人。寛政元年(1789)初代男女蔵と改名。寛政9年6月桐座『太平記忠臣講釈』で由良之助・重太郎の2役を勤め、立役として名をあげた。江戸・上方の舞台に立ち、女方・立役・実悪として活躍した。文政8年(1825)3月河原崎座『忠臣蔵』に2代目弁蔵と改めて由良之助・師直・定九郎の3役を勤めている。