B1-10 忠臣蔵 七段目

絵師: 豊国〈3〉
出版:安政1年(1854)
判型:大判錦絵(横絵)
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0034-07

 年玉の印を散らした枠取りの中に『忠臣蔵』各段の名場面を描く12枚の揃物。3代豊国晩年の作で、場面取りは従来多く描かれてきたところを踏襲し、描写も硬く典型化しているが、濃彩の摺りが美しい。このシリーズは、嘉永7年(安政元年、1854)5月に中村座と市村座での上演に取材したもので、役者似顔で描かれているのが最大の特徴である。

 本図は七段目の段切れ、平右衛門(3代目嵐吉三郎)の忠義の心とおかる(4代目尾上梅幸)の覚悟を見届けた由良之助(8代目市川団十郎)が、平右衛門に縁下に隠れていた九太夫(2代目中村仲助)の退治を命じる場面。市村座の舞台に則っている。