2009年1月27日

第44回 GCOEセミナー

「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ教育プログラム」履修生特集

1.「貴族の移動経路からみた平安京」
Heiankyo seen from the route of movement of nobles

講師:吉田 真澄 (立命館大学大学院文学研究科M1)

2.「天神信仰の展開過程の一考察」
A consideration of the spread of Tenjin worship

講師:中尾 芙貴子 (立命館大学大学院文学研究科M1)

3.「能の稽古におけるモーションキャプチャ利用の可能性」
On the Potential of Using Motion Capture in Noh Dancing Practice

講師:高橋 幸恵 (学外履修生)

日時:2009年1月27日(火) 18:00~19:30(6限)
場所:【衣笠】立命館大学アート・リサーチセンター 多目的ルーム
【BKC】インターネット(Power Live)をご利用ください。
参加無料(予約不要)

※一般の方もインターネットでセミナーにご参加いただけます。
※インターネットでの参加を希望される方は、nyoshi■fc.ritsumei.ac.jp(■を@に置き換えてください)まで、その旨ご連絡ください(担当、西川)。
※本拠点研究メンバーですでにID、PWをお持ちの方は連絡は不要です。
※配布資料は開催当日午後より下記のURLからご覧いただけます(期間限定)。
 https://www.arc.ritsumei.ac.jp/dhjac/ppt/haihusiryo-index.html
 

【要 旨】
1.吉田 真澄「貴族の移動経路からみた平安京」
 平安貴族の日記には、行幸や慶賀などの行事で通った順路が詳細に記録されていることがある。朱雀大路や二条大路など特定の大路が利用されていることは既に先行研究で指摘されている。しかし、どのぐらいの頻度でその路を通っていたのか図示している研究はない。前回の報告では、『兵範記』に見られる移動の事例を題材にGISを用いて移動経路の可視化を試みた。本報告では、前回に引き続き当時の日記に見える移動の事例を取り上げ、平安京について考察したい。

2.中尾 芙貴子「天神信仰の展開過程の一考察」
 平安時代に成立する天神信仰とは、右大臣から大宰権帥へと左遷され、大宰府で没する菅原道真を「天神」として祀る信仰のことである。この信仰は京都北野天満宮を中心として始まり、早い時期から広く信仰され、またさまざまに展開しながら受け継がれてゆく。現在でも「天満宮」や「天神社」と名を付し道真を祀る神社が全国に点在しているが、本報告では、その現在の分布を示し、多くみられる地域の考察から天神信仰の展開の過程を考察したい。

3.高橋 幸恵「能の稽古におけるモーションキャプチャ利用の可能性」
 近年各研究機関で、伝統芸能の「デジタル・アーカイブ化」が取り組まれている。その目的の一つとして、伝承が挙げられる。基本姿勢と所作とに特徴がある能は,師匠と弟子との対面稽古を基本として伝承されてきた。その伝承に、デジタル技術は如何に関わることが可能なのか。
 本報告では、伝統芸能の一つである能を、モーションキャプチャを利用して記録・分析し、その有効性と課題について検討する。