E2.2.16.1 義士真像 織辺安兵衛武庸

絵師:歌川国芳
出版:嘉永6年(1853
判型:大判錦絵揃物のうち
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0222-01

 「義士真像」は、討入り装束に身を固めた義士の全身像を虚飾を排して描こうというシリーズで、21図の刊行が確認されている。躍動感は乏しいものの、義士の顔貌や、討入り装束の両袖口を雁木模様ではなく白布を縫い付けた状態に描いている点には真実味がある。頭巾の額部分には丸にいろは文字が書かれている。

 織辺安兵衛武庸の実名は堀部安兵衛武庸。左手を額にかざして遠方を見やる姿である。背後の縦長方形には水鳥が水面から飛び立つ様を表す文様があしらわれ、「舟よする堀部さわきて水鳥のいてるその名は万代まてに」の歌が書かれている。