E2.2.01 忠臣蔵義士両国橋引取之図
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絵師:歌川国芳
出版:文政(1818~30)後期
判型:大判錦絵3枚続
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-S0007-01~03国芳の初期の作例。E2.2.1~4 のように『忠臣蔵』の討入りや両国橋引揚げなどを3枚続でしばしば描いている。
本図は、両国橋を引き揚げてきた義士一党の歩みを馬上の旗本服部逸郎が押し留める場面を描いている。由良之助が服部の前に進み出て、頭を垂れながら首尾を説明している。両国橋界隈は当時盛り場で、見世物小屋が建ち並んでいた。義士たちの背後にもその小屋掛けが描き込まれ、川岸には水茶屋が並んでいるのが見える。画面中央には2枚の立札が描かれ、手前の札には「開板 水滸伝 一勇斎国芳筆」と書かれ、後ろの札には「開山」「忠臣」「義士」の文字が見える。「水滸伝」は、文政後期に刊行が始まり、国芳が大ブレイクした「通俗水滸伝豪傑百八人之壱個」シリーズを指していると思われる。この機を逃すまいと宣伝にも余念がない。