D8.5 清元落人 おかる・かん平

絵師:歌川芳藤
出版:明治6年(1873)
判型:大判錦絵
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0164
  
 清元の浄瑠璃「道行旅路の花聟(はなむこ)」の出語りの舞台を兎に置き換えて描いた兎絵の作例。すなわち、おかる・勘平はもとより、後方の太夫と三味線も兎である。上部には清元の詞章にならった詞章が書かれている。
 明治5年(1872)ごろから、東京や大阪で愛玩用として兎の飼育が流行し、これが全国に波及したことに便乗して兎絵が数多く版行された。町には兎の売買や交換をする市が立ったが、明治6年(1873)になると兎の飼育・売買の統制がなされるようになり、次第に兎絵のブームも終息した。