D8.2 十二段続 仮名手本挑燈蔵 大序

絵師:歌川国芳
出版:嘉永5年(1852)
判型:大判錦絵12枚揃のうち
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0100-01

 『仮名手本忠臣蔵』各段を代表する登場人物を役者似顔の半身像で描く。左上のコマ絵には、主題となっている人物と関連のある人物1~2人の顔や髪などを提灯で描き、この提灯の人物も役者似顔となっている。これが「仮名手本挑燈蔵」という表題の由来で、そのユーモラスな描きぶりは国芳の本領発揮といったところ。3と4も本図と同じシリーズである。

 大序を描く本図は、主題となる人物は顔世への恋文を手にする高師直で、役者は5代目市川海老蔵である。また、提灯のコマ絵は師直に言い寄られて困惑する顔世御前と師直を見とがめる桃井若狭之助で、顔世は4代目尾上菊五郎、若狭之助は8代目市川団十郎で描かれる。