D5.3 新板浮絵忠臣蔵 四段目

絵師:歌川国直〈1〉
出版:文政~天保期(1818~44)
判型:横大判錦絵11枚揃のうち
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0015-04    

 足利家の紋所二つ引両、高師直の五三の桐、塩冶判官の鷹の羽、大星の二つ巴を散らした額縁状の枠の中に、浮絵で『忠臣蔵』各段の場面を描く11枚の揃物の第4図。本シリーズは、「二段目」(AkoRH-R0015-02)のように「力弥使者」と「松切り」の2場面を描き込むものもあるが、基本的には各段を代表する1場面を選び出して作画し、浮絵による風景描写の中に芝居から抜き出してきたようなポーズをとる人物を点景しているのが特徴である。四段目の本図は、塩冶館での判官切腹の場面。奥の広間で判官が刀を腹に突き立てたところ、広間手前の廊下に国元から駆けつけた由良之助が平伏しているというシーン。諸士も部屋や廊下の隅で平伏して由良之助の到着を迎えている。