D3.4 春見立当羽子板 夜討の由良之助 坂東彦三郎
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絵師:豊原国周
出版:明治
判型:大判錦絵
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0348玩具絵の一種といってもよい羽子板絵の作品。討入り姿の由良之助を5代目坂東彦三郎の似顔で描いている。これを切り抜いて板に貼りつければ、押絵と見まがう豪華な羽子板の完成だ。
ちなみに、押絵は、厚紙の型に金襴・紗・綾・縮緬などの布をかけて貼り、中に綿を詰め、花鳥・風景・人物などのひとつのまとまった絵とする手芸である。羽子板だけでなく、毬や壁掛け、雛人形・五月人形の代用などに作られた。文化・文政期(1804~30)ごろから押絵羽子板が流行し、歌舞伎役者の似顔絵を豪華な押絵で羽子板に仕立てることが一般化していった。押絵用の役者似顔の下絵を描く画工も現れ、本図の作者である豊原国周も当初は押絵の画工であった。