絵師:無款
出版:江戸後期
判型:横小判合羽摺版画
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP4796
殿中刃傷の場を簡素に描いた1枚のように見えるが、これは絵の中に文字を組み込んだ文字絵である。塩冶判官の右上に「はん官」、高師直の左上に「高野」と記されている。当時、「高の」師直は「高野師直」と表記されることがよくあった。そして描かれたそれぞれの人物の衣装の中で太く記された線を辿ってゆくと、草書体や変体仮名なのでわかりにくいかもしれないが、それぞれ「は」「ん」「官」、「高」「野」と読めるのである。