D3.1 太平記忠臣講釈

絵師:歌川豊国〈1〉(画)
出版:享和3年(1803)
判型:大判錦絵
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0058

 『太平記忠臣講釈』は、近松半二・三好松洛・竹田文吾・竹田小出雲・筑田平七・竹本三郎兵衛の合作による浄瑠璃で、明和3年(1766)10月に大坂・竹本座で初演された。『仮名手本忠臣蔵』にならって時代を『太平記』に取り、多くの義士劇の先行作をアレンジしたもので、翌年には歌舞伎にも取り入れられている。

 本図は、享和3年(1803)6月の市村座興行に取材したもので、四段目「勘平石切の場」、かなわぬ恋仲の九太夫娘おくみ(初代瀬川路之助)と早野勘平(初代沢村源之助)の2人を絵馬の額縁形の枠取りの中に描いている。額縁には、源之助の紋釻菊と路之助の紋丸に結綿が散らされている。