C4.02 「新板仮名手本忠臣蔵飛廻双六」

絵師:無款
出版:安政5年(1858)
判型:横間倍判合羽摺
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0190

 安政5年(1858)11月京都の南側芝居で『仮名手本忠臣蔵』などが上演されたのに合わせて出版された飛び廻りすごろく。横間倍判の合羽摺である。廻りすごろく風の画面構成で、それぞれのマスには次に飛び移る先が指定されている。ふりはじめは『忠臣蔵』大序の「兜改め」の場面で、上りは大切に演じられた『桂川』のお半・長右衛門の道行。

 『忠臣蔵』のマスは、「大序 ふりはじめ」から「い 縁のふりそで」「ろ 忠義の一力」「は 恋のゐしゆ」「に 思案さい中」「ほ 花のながめ」「へ忠義の一心」「と 金がかたき」「ち 財布の連判」「り はゝのうたかひ」「ぬ 二階の粧ひ」「る よむなが文」「を 花の旅」「わ 大星の隠家」で、九段目までが描かれる。また、各場面の人物のかたわらには役名とそれを演じた役者名が書かれる。このときの『忠臣蔵』の主な配役は、由良之助に4代目三枡大五郎、判官・定九郎・戸無瀬に3代目嵐()(かん)、師直・本蔵に初代片岡市蔵、顔世・おかる・お石に2代目尾上菊次郎、若狭之助・勘平に2代目嵐璃珏であった。