絵師：歌川国員
出版：文久元年（1861）頃
判型：横中判錦絵７５枚揃のうち
所蔵：立命館ARC
作品番号：arcUP2117

　「大日本六十余州」は、江戸の歌川国芳作「江(え)都(ど)錦(にしき)今(いま)様(よう)国(くに)尽(づくし)」シリーズ（AkoRH-R0151-01～02）などの影響を受けた横中判の揃物で、五畿七道の６８ヵ国に江戸・大坂・京と目録２枚を加えた７５枚（丹波が３枚ある）から成っている。それぞれの国名に関連する芝居の場面を当てはめて描いている。忠臣蔵に関連するものはC1.2.37「播州」とC1.2.38「若狭」の２図。

　「若狭」は、『仮名手本忠臣蔵』二段目が若狭之助邸を舞台とすることに因んでいる。登城時刻を知らせにきた力弥に許婚の小浪が応対する場面。力弥は５代目中村駒之助、小浪は４代目市川米蔵の似顔で描かれる。