絵師：国貞〈3〉
出版：明治２２年(1889)
判型：大判錦絵3枚続
所蔵：赤穂市立歴史博物館
作品番号：AkoRH-R0301-01～03

　
　明治２２年(1889)3月24日からの桐座興行は、七段目と九段目の由良之助・平右衛門・おかる・本蔵・戸無瀬の５役を、９代目市川団十郎・５代目尾上菊五郎・初代市川左団次の３人、いわゆる「団・菊・左」が毎日替りで演じた。
　本図は、七段目の日替りの舞台を３枚続の画面に３つの場面を盛り込んで描いている。描かれている場面と配役は次のとおり。

　(１)力弥（中村鶴松）が由良之助（初代左団次）に密書を届ける場面。
　(２)おかる（５代目菊五郎）が、由良之助（９代目団十郎）の読む密書を階上から盗み読む場面。
　(３)由良之助（５代目菊五郎）のおかる（９代目団十郎）の身請け話の本心を察して、平右衛門（初代左団次）が自らおかるを殺そうとする場面。