B2-14-01 大星由良之助 中村歌右衛門

絵師:重春
出版:天保9年(1838)
判型:中判錦絵
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP4557

 天保9年(1838)1月の大坂・中座の上演に取材したもの。七段目、密書がおかるに盗み読まれていることに気付き、後ろ手に密書を隠す由良之助(4代目中村歌右衛門)が描かれる。雲形の向こうに描く背景は一力の庭。コマ絵は由良之助と対面している形であるが、二階から覗いていたおかるではなく、同じ上演時の大切に演じられた昔慕(ふるめかしけれど)やはり七化(ななばけ)の業平(4代目歌右衛門)である。この「忠臣蔵」で四代目歌右衛門は、由良之助、師直、勘平、定九郎、戸無瀬、数右衛門、義平の七役を演じており、「昔慕やはり七化」のコマ絵と組み合わせた重信の作品は、他に「早野勘平・越後獅子」、「斧定九郎・越後獅子」の二作を知る。あるいは、残りの四役も描いていたか。.