B2-13-01 七役之内 師直 由良之助 中村歌右衛門

絵師:豊国〈1〉
出版:文化6年(1809)
判型:大判錦絵
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP1136

 
 文化6年(1809)5月中村座の上演に取材した作品。高師直と大星由良之助に扮した3代目中村歌右衛門が描かれているが、画中に「七役之内」とあるように、この時3代目歌右衛門は、ほかに斧定九郎、おかるの母、千崎弥五郎、天川屋義平、戸無瀬と、合わせて七役を勤めた。
 三段目の師直は、烏帽子を被り中啓を持つが、左手には歌を書いた短冊を逆さに持っている。登城した塩冶判官が顔世御前から頼まれた文箱を師直に手渡し、その中に入っていた短冊を師直がみると「さなきだに 重きが上の小夜衣 我が夫ならでつまな重ねそ」とあり、その短冊が描かれている。横恋慕が叶わぬと知った師直の憤怒の表情である。四段目の由良之助は、塩冶判官が切腹した九寸五分の短刀を持ち、敵討の決意を亡き主君に誓う姿である。.