B2-05-01 大星由良之助 

絵師:豊国〈3〉
出版:安政4年(1857)
判型:大判錦絵3枚続
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP1642(arcUP1641~1643)

 安政4年(1857)10月森田座の上演に取材したもの。縁先で顔世からの密書を読んでいた由良之助(6代目市川団蔵)が、階上のおかる(初代中村福助)から盗み読まれていたことに気付き、密書を隠す場面を描く。縁の下からはちぎり取られた密書の端を手にする斧九太夫(初代中村歌雀)が覗く。6代目団蔵は、クリッとした目と口元がキッと結ばれた容貌が特徴だが、その目は、おかるでも九太夫でもなく、右上方を見ている。これは、この場面の由良之助の伝統的な描き方で、おかるが二階座敷から覗いている構図の場合の目線である。暖簾からは寺岡平右衛門(3代目市川市蔵)が姿をみせているが、筋の展開上、この場面には居合せないはずである。.