A5-08 忠臣蔵夜討 十一段目

絵師:英泉
出版:文政~天保
判型:大判錦絵
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0019-11

11枚の揃物。下方およそ3分の2に各段の場面を描き、上方には縁に大星由良之助の定紋である二つ巴を散らし、タイトルを大きく書いた黒い額を配する。他に類例のない独特な画面構成である。各図とも実景描写に近い背景の中に、役者の似顔ではないが、歌舞伎の舞台から抜き出してきたような人物が描き込まれる。例えば、四段目の「城渡」の図(AkoRH-R0019-04)は、由良之助が判官形見の刀を手に、仇討ちの決意を固めつつ城を退出する場面を描くが、歌舞伎では塩冶館の表門前のところを、高い石垣の上に櫓や塀を備えた、まさしく城を背景に描いている。十一段目の本図は、炭小屋で由良之助と力弥が師直を取り押さえ、まさに本懐を遂げようとする場面が描かれる。

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