A3-01 仮名手本忠臣蔵 十一段目

絵師:北斎
出版:文化3年(1806)
判型:大判錦絵
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0010-05

葛飾北斎は文化期(1804~18)を中心に「忠臣蔵」の揃物をいくつか描いているが、これは文化3年に鶴屋金助から出版された無款、横大判の揃物の1枚。斜め上からの視点で遠近法を用い奥行きを感じさせる風景表現の中に『仮名手本忠臣蔵』各段の場面を描き込んでいる。墨摺であれば読本の挿絵としても十分通用する構図といえよう。このシリーズは後に和泉屋市兵衛に版が行っている。

十一段目のこの図は、師直邸門前に集結した義士たちが、梯子をかけて屋根に登り、また大槌で門を打ち破って討ち入ろうとする様子が描かれている。