D5.5 誠忠義士肖像 富之森祐右エ門正固
-
-
絵師:歌川国芳
出版:嘉永5年(1852)
判型:大判錦絵揃物のうち
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0221-03「誠忠義士肖像」は、嘉永5年(1852)に刊行された揃物で、文字通り義士の肖像画を志向して作画され、12枚までが世に出た。義士一人ひとりの討入り姿を半身像でダイナミックに描いているが、従来の役者絵的な肖像ではなく、虚実はともかく、もっともらしくリアルな相貌で描かれているのが大きな特徴。黒目に白点を入れて眼球の光の反射を表現したり、陰影をつけて顔の立体感を表すなど、近代的な写実性がうかがえるシリーズである。
近年の研究により、このシリーズのうち、ここに掲げた2富之森祐右エ門正固・3吉田沢右エ門包貞と潮田政之丞高教の3図がニューホフの『東西海陸紀行』の挿絵を援用したものであることが指摘されている。