C2.2.02 「以呂波歌桜秀逸 勝右衛門 嵐吉三郎」

絵師:無款
出版:文化9年(1812)
判型:細判合羽摺
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP0642

 文化9年(1912)2月、四条南側芝居での『以呂波歌桜秀逸(いろはうたはなのしゅういつ)』に取材した細判合羽摺の作品。上方きっての二枚目役者、2代目嵐吉三郎の諏訪勝右衛門(義士不破数右衛門がモデル)を描いている。この場面の筋立ては、勝右衛門が仇討ちをひかえて恋人お町との間にできた子を叔母の春月尼に預けにいくが断られ、子を手にかけようとする。これを見た春月尼は勝右衛門の義心をくんで子の養育を引き受けるというものであった。この場では盗賊となっていた進藤源四郎と斬り合う場面もあり、小道具に本図にも見える蛇の目傘が使われたようである。