1

2007年11月20日

参考文献(2)

国立国会図書館「近代デジタルライブラリー」の意義をめぐる論考。
・木戸雄一「デジタルアーカイヴは「日本近代文学研究」を変えるか?」
 『日本近代文学』66、日本近代文学会、2003・10
・木戸雄一「デジタルアーカイヴと研究プロジェクト時代の影印本――国文学研究資料館「リプリント日本近代文学」について――」
『日本近代文学』77、日本近代文学会、2007・11

・河野至恩「東京大学附属図書館「鷗外文庫プロジェクト」について」『日本近代文学』77、日本近代文学会、2007・11

 実際にデジタルアーカイブを作成されている方による報告。デジタル化の意義と共に、そこからもれる情報をどのように処理するか、が今後の課題としてあげられています。

2007年11月19日

参考文献(1)

カフカ研究者明星聖子氏の、「本文」という概念をめぐる文献学の変遷についての研究です。
・「「正統な」テクストの終焉―ドイツ文献学史概説の試み」
 『埼玉大学紀要』32(2)、埼玉大学教養学部、2000
・「文献学はコンピュータに何を託すべきか―カフカのテクスト編集の問題を例にして―」
 『情報処理学会研究報告』2004、1
・「「本文」編集のアポリア―宮澤賢治の校本全集を例に」
 『出版研究』35、日本出版学会、2004、5
・内木哲也、明星聖子「情報システム視点からの電子書籍出版に関する考察」
 『情報処理学会研究報告』2004、5
・「デジタルアーカイブのための新しい「文献学」―未来の「文学全集」、そしてその先にあるものを考えて―」『情報処理学会研究報告』2006、5
・明星聖子、永崎研宣「編輯文献学に基づく人文科学資料エディティング・システム構築の試み―第一段階としてのカフカ・テクスト情報の構造化と実装―」
『情報処理学会研究報告』2007、5

2007年11月 7日

シンポジウム第1回打ち合わせ

11月8日(木)10:40~ 文学部学部長室にて
・シンポジウム日時、テーマについて

2007年11月 7日

火曜セミナー発表報告

第6回火曜セミナーの楠井による報告は、「外地」特に植民地時期の朝鮮における文化状況を、雑誌『国民文学』の分析から探るというものだった。報告の前半では、日本文化の浸透を、日本語教育の普及や内地からの雑誌移入量の増加という面から論じ、後半では「国民文学」という概念や文学者の活動に触れた。そして結論として雑誌研究の意義を強調し、今後の展開では日本語で刊行された雑誌の目録化とデータベース化を行いたいとした。

報告後のコメントでは、主に以下のような質問があった。
 ①当時日本の雑誌や大衆文化に親しんでいたのはどのような階層の人々か?
 ②朝鮮で日本語により刊行された雑誌には文学以外にどのようなものがあるか?
 ③データベース化とは具体的にどのような形態を考えているのか?
 ④文学以外のサブカルチャーに関する資料をどこまで取り入れるか?
 ⑤フルテキストで保存した場合、著作権の問題をどう処理するか?

これについて報告者は、以下のように応答した。
 ①全人口ではなく一部の階層だと考えられるが、その実態については調査中
 ②総督府関連の物、経済雑誌等の専門誌が多く存在。文学以外の芸術雑誌も視野に入れていきたい
 ③形態・目的など今後研究を進める中で具体化したい
 ④②とも関連するが、パフォーミングアーツなど大衆文化などの移入動向も参照したい
 ⑤③と関連させて検討
また、日本語雑誌の移入の増加に関して、実際の受容層は日本人ではないかという、資料の扱いに関する指摘もあった。

2007年11月 6日

GCOE火曜セミナー発表

木村研究室のPD楠井清文が発表します。
日時:11月6日(火) 18:00~
場所:アートリサーチセンター
発表タイトル:1940年代朝鮮の日本語小説研究
          ――雑誌『国民文学』の分析を中心に――
要旨:報告者はこれまで昭和の文学者の植民地や占領地体験を研究してきた。特に現地の人々に強制された日本語が、どのように自己表現の道具へ転用され、また逆に日本語を母語とする人々がそれをどう受けとめたのか、という相互影響に関心があった。本研究では、雑誌『国民文学』に掲載された日本・朝鮮の各文学者の小説を分析し、「日本語」「日本文化」の表象が1940年代の朝鮮で占めていた社会的位置を明らかにしたい。また現在では植民地文献の復刻・目録作成が進んでいる。これらはデータベース化されることで、容易に各地域との共同研究で活用される。本研究は、資料の共有化が開く展望についても探っていきたい。
 

1