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2008年2月25日
シンポジウム報告
2月17日に開催されたシンポジウムは、30名以上が参加する盛会となりました。
各パネル発表後の質疑応答・共同討議でも活発な議論が交わされました。
本シンポジウムの記録は、2008年度に紙上再現の形で報告書にまとめる予定です。
2008年2月17日
シンポジウム概要
シンポジウムの概要が以下のように決定しました。
シンポジウム・チラシ 日韓共同シンポジウム
デジタル・ヒューマニティーズの可能性
――日本近代文学・文化研究の立場から――
現代のグローバル化の進行は、従来の人文科学諸分野にも変容をもたらした。海外では日本文化や日本文学に関する研究が活発になる一方で、日本国内でそれらの動向と連携する態勢が十分に整えられているとはいえない。今後、国際的な共同研究を展開するために、どのような研究基盤を創り上げる必要があるだろうか。
その一つとして有効なのが、デジタル技術による双方向的な情報の発信である。Web環境の充実により、資料の共有や研究業績の公開が容易になった。日本近代文学研究の分野でも、文献データベースの整備や本文の電子テクスト・デジタルアーカイブ化によって、国内外を問わず研究可能な制度が整いつつある。しかし同時に、様々な形態でのテクストの流通は、文学研究の対象とは何か、という根元的な問題もまた喚起する。
そこで本シンポジウムでは、日本近代文学研究の進展している韓国の代表的研究者を招き、日本の研究者も交えて、国際的な共同研究のあり方とグローバル時代における文学研究の意義、そこでデジタル化の果たす役割について討議したい。具体的には①韓国での日本研究の現状と蓄積、②そこでの研究成果の活用方法、③日韓の研究の共有化、の三点についてパネル発表・ディスカッションを行う。
日時:2008年2月17日(日)13:00~17:00
会場:立命館大学衣笠キャンパス 末川会館第2会議室
主催:立命館大学GCOE日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点 日本文化研究班
協賛:立命館大学コリア研究センター
スケジュール:
開会の挨拶
Ⅰパネル発表 韓国における日本近代文学研究
13:00~13:40 「韓国の日本近代文学研究の状況」
パネリスト 崔 在喆(韓国外国語大学校教授、前韓国日本近代文学会会長)
13:40~14:20 「三島由紀夫の文学におけるナショナリズムの再評価」
パネリスト 許 昊(水原大学校教授、韓国日本近代文学会会長)
14:20~14:40 コメント 平野芳信(山口大学教授)
14:40~15:00 休憩
Ⅱ 日韓共同研究の展開
15:00~15:40 「日韓共同データベース構築の必要性
――中西伊之助研究の視点から――」
パネリスト 勝村 誠(本学教授)
15:40~16:00 コメント 竹松良明(大阪学院短期大学教授)
Ⅲ 共同討議
16:00~17:00 司 会 木村一信(本学教授)
閉会の辞
18:00~20:00 懇親会
この日韓シンポジウムは考古学分野と同日開催されます。考古学のシンポジウムはアカデメイア立命21・K201会議室です。
シンポジウム終了後、18:00より末川会館地階レストラン・カルムで合同懇親会を予定しております。
2008年2月17日
シンポジウム発表内容①
崔先生のパネル発表概要です。
韓国の日本近代文学研究の状況
韓国外国語大学校 崔 在喆 (Choi Jae-Chul)
韓国における日本文学研究の動向と展望について調べてみた。韓国の日本文学研究関連の学会は韓国日語日文学会(1978年創立)、韓国日本学会(1973年創立)を含め10余りあり、大学付設の日本研究所も10余ヶ所あって、これらの学術誌に発表される論文は今や年間数百編に上っている。
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2008年2月17日
シンポジウム発表内容②
許先生の発表概要です。
三島由紀夫の文学におけるナショナリズムの再評価
水原大学 許 昊(Huh,Ho)
三島が本格的に政治問題や思想に関心を見せるようになったのは「林房雄論」(昭38.2「新潮」)を書いてからである。三島はこの評論の中で、不安と動揺の時代を生きた一人の知識人の思想と心情に密着しつつ、自分の右翼的な立場を明らかにした。
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2008年2月13日
参考文献(3)
日本文学協会の機関誌『日本文学』57号(2008・1)は「文学としての情報/情報としての文学」という特集を組んでいます。文学研究とアーカイブ化に関係する論文としては和田敦彦「流通・所蔵情報をとらえる文学研究へ――米議会図書館所蔵の占領期被接収文献について――」が、書物の流通情報も含んだ「リテラシー史」の提言を行っています。
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