◆1.7大正・昭和の歌舞伎目次

二長町時代

二人とも、まだ若く、田村成義の後押しもあって、おおいに歌舞伎は盛上った。明治25年に台東区の二長町に市村座が開場した。
この劇場で、明治の三大名優亡き後、台頭してくるのが六代目尾上菊五郎と初代中村吉右衛門である。

昭和18年の「勧進帳」の記録

太平洋戦争の最中、昭和18年の国内では、いよいよ歌舞伎の舞台などを悠長に鑑賞している状況ではなくなっていきますが、11月に「勧進帳」が東京歌舞伎座の舞台で出されます。これは12月まで続演され、その24日に舞台の実況を記録した舞台映画が残っています。
配役は、
 弁慶 7代目 松本幸四郎
 富樫 15代目 市村羽左衛門
 義経 6代目 尾上菊五郎
という、当時はもちろん最高、その後、未来にあっても、これほどの夢のような組み合わせは望むべくもないのではないかと思われます。