太平洋戦争の最中、昭和18年の国内では、いよいよ歌舞伎の舞台などを悠長に鑑賞している状況ではなくなっていきますが、11月に「勧進帳」が東京歌舞伎座の舞台で出されます。これは12月まで続演され、その24日に舞台の実況を記録した舞台映画が残っています。 配役は、 弁慶 7代目 松本幸四郎 富樫 15代目 市村羽左衛門 義経 6代目 尾上菊五郎 という、当時はもちろん最高、その後、未来にあっても、これほどの夢のような組み合わせは望むべくもないのではないかと思われます。