2010年6月19日

流響院見学

六月十七日に南禅寺近くの流響院(巨陶庵)へ見学してきました。復元された住居と日本庭園は、昔の余韻を残しながら、襖絵に現代の絵画を用いたりする新しい工夫も施されています。特に美しい日本庭園の世界とその後ろに続く連綿とした山々の遠景を共に楽しめるのは心に残る美景となります。見学は日常生活の中まで美を取り込む日本の美意識を知るいい機会となりました。 

 

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 流響院の歴史は約百年ある。1909年に塚本与三次氏がこの地を邸宅として開発。「福地庵」と名付けられる。1925年に、現在の流響院部分が三菱グループの総帥、岩崎小弥太氏に譲渡され改修工事が行われた。「巨陶庵」と名付けられて、当時の財界人などの社交の場として活用される。1945年頃、米軍に接収されまた改修改築される。1948年、龍村美術織物が取得し、「織寶苑」とする。2005年10月に真如苑が「織寶苑」を譲り受ける。2007年4月から修復工事が開始され、2009年11月に修復工事を終え、「流響院」と命名される。

流響院の日本庭園はもともと数寄屋造りの建物と近代日本庭園の基礎を築いた七代目小川治兵衛、保太郎親子が手がけた池泉回遊式庭園からなる。修復の際に「巨陶庵」の図面や写真を参考に元の意匠を復元した。池の畔の木々の中に茶室や涼流亭などが配置され、奥深い空間に優雅な遊び心が満載されている。庭園から遠方の東山の峰峰を眺めるのも大変な趣の一つとなっている。日本文学と美術に見られる奥深くて優雅な美は、このような日常の中から生まれてきたと思うと感慨深くなる。

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