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バークレー美術館・太平洋フィルムアーカイブ(BAMPFA)が所蔵する浮世絵版画作品 1541点がアート・リサーチセンター(以下ARC)から公開されました。
Ukiyo-e Database for Berkeley Art Museum and Pacific Film Archive
※なお、浮世絵ポータルデータベースからも、所蔵機関に「BAMPFA」と入力すると閲覧できます。BAMPFAは、バークレーのダウンタウンの中心部に建つ近代的で斬新なデザインの建物で、カリフォルニア大学バークレー校の大学美術館です。
ARCは、2019年9月に浮世絵版画のデジタル化を許可され、所蔵するすべてのデジタル化を完了しました。
その後、2020年2月にメタデータを加え、プロジェクトの報告を美術館に向けて行い、新型コロナウィルスのパンデミックの間も、データの整備を進めてきました。
今回、美術館担当者との調整の上、ARCからも画像閲覧のできるデータベースとして一般公開に至りました。
ARCからは、作品ごとに、BAMPFAのコレクションデータベースへのリンクボタンが設置されています。
1541点の内、名所絵が594枚と最も多く、次いで美人画が501枚、役者絵が224枚、武者絵83枚という構成で、絵師は、広重が359枚、国貞〈1〉が164枚、北斎が118枚、国芳が72枚となっています。特に注目できるのは、摺物が134枚、柱絵が120枚もあることで、この公開によって、一層の研究が進むことが期待されます。2023年5月10日(水)18:00より、Web配信にて第117回国際ARCセミナーを開催いたします。
プログラムは下記となります。講師:石橋直樹氏(武蔵野大学データサイエンス学部データサイエンス学科 教授)
タイトル:「Artizon Cloud: 美術館を対象としたマルチデータベースシステムアーキテクチャとその応用」
日時:2023年5月10日(水)18:00~19:30
参加:Zoom配信(関係者のみ・予約不要)
※ARCメンバー以外の方は Youtubeよりご参加いただけます。こちらからご覧下さい。
専修大学図書館所蔵の向井信夫文庫の内、浮世絵1481点が、オンラインで閲覧できるようになりました。
>>専修大学図書館「向井信夫文庫」浮世絵データベース
※「浮世絵ポータルデータベース」からは、所蔵者に「専修大学」と入れて、検索してください。故向井信夫氏は、江戸期和本の収集家・研究者として知られていました。その内容は、江戸後期の戯作(洒落本、滑稽本、咄本、人情本)から漢詩文、狂詩・狂文、考証随筆、吉原関係、歌舞伎関係、絵本など、多種にわたり、江戸期を彩る書物が揃っています。
浮世絵は、それらの和本の蒐集の過程で、同時代の浮世絵や浮世絵画帖も集められたものです。江戸後期の役者絵、武者絵、美人画、戯画などがバランスよく収集されており、特に月岡芳年の作品は、690点にも及ぶ大コレクションとなっています。今回、アート・リサーチセンターが協力し、デジタル化と詳細なメタデータの付与を行いました。
なお、向井信夫文庫の江戸期和本については、国文学研究資料館から順次公開されていますが、アート・リサーチセンターのデータベースから閲覧することも可能です。>>専修大学図書館「向井信夫文庫」古典籍閲覧システム
※「古典籍ポータルデータベース」からは、所蔵者に「専修大学」と入れて、検索してください。ご利用にあたっては、専修大学図書館のHP「貴重図書資料の利用」をご確認ください。
2023年4月26日(水)18:00より、Web配信にて第116回国際ARCセミナーを開催いたします。
プログラムは下記となります。1. 講師:サイモン・ケイナー氏(セインズベリー日本藝術研究所 統括役所長)
タイトル:「ストーンヘンジと先史時代日本--日英考古学交流現状と未来」
2. 講師:松葉涼子氏(セインズベリー日本藝術研究所 講師)
ジョセフ・ビルス氏(ケンブリッジ大学修士課程卒業生)
ボリ・コウ氏(ロンドン大学SOAS修士課程)
リアム・ヘッド氏(イーストアングリア大学修士課程)タイトル:「英国におけるARCモデルの実践―大英博物館刀装具デジタル化を事例として―」
日時:2023年4月26日(水)18:00~19:30
参加:Zoom配信(関係者のみ・予約不要)
※ARCメンバー以外の方は Youtubeよりご参加いただけます。こちらからご覧下さい。
紀要『アート・リサーチ』24-2号の原稿募集を開始しました
本紀要は、アート・リサーチセンターで展開する各研究プロジェクトの活動成果を広く公開する目的を持つとともに、芸術文化を専門とした学術雑誌として、例年多くの方にご投稿いただいております。
アート・リサーチセンターは、1998年度設立以来、文化・芸術・情報科学に関する優れた研究拠点として、国の複数の補助金に採択され、2019年度には文部科学省「国際共同利用・共同研究拠点」として認定されるなど、研究を一層深化させています。また、文化芸術のデジタルアーカイブにおける先端的拠点としても、高く評価されています。オンラインジャーナルとして年複数回発行し、年度末には、それらをまとめた冊子も発行します。
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原稿募集は随時行っております。
投稿機会の自由度が大幅に高まりますので、是非とも積極的なご応募をお待ちしております。2023年4月12日(水)18:00より、Web配信にて第115回国際ARCセミナーを開催いたします。
プログラムは下記となります。講師:上野隆三氏(立命館大学学⻑特別補佐、文学部教授)
タイトル:「浮世絵から見る“三国志”の日本における受容」
日時:2023年4月12日(水)18:00~19:30
参加:Zoom配信(関係者のみ・予約不要)
※YouTube配信はございません。[イベント情報]2023年3月13日(月)2023年3月7日-9日の3日間、エジプトのアトゥン博物館にてトレーニングコース「Generating 3D Model for Museums Collections Using Photo-Scanning Technique」が非公開で開催されました。
Overview:
Sharing knowledge and capacity building of curators working in the Egyptian museums at the Ministry of Antiquities is one of the important ways that achieve the required development of the policies and means of preserving the Egyptian cultural heritage in a sustainable framework. In this regard, sharing advanced practical know-how and experiences that have been developed with the Art Research Center (ARC) at Ritsumeikan University in Japan achieves this goal with the support of the Japan Society for the Promotion of Science (JSPS).
Objectives:
The photo-scanning technology contributes to preserving the objects of Egyptian museums, especially at the time of crises and disasters, such as the looting and destroying the Mallawi Museum in Egypt in August 2013, in addition to the massive destruction of the Islamic Art Museum after the Cairo Security Directorate bombing on January 24, 2014, the restoration and preservation of museum groups, add to contributing to the combating and recovery of smuggling of cultural heritage assets crimes.
The photo-scanning technique generates 3D modeling for artifacts in Egyptian museums. A digital database can be created and referred to, allowing the artifacts to be identified easily through fabric, components, and elements.
The dependence on the photo-scanning application on cultural heritage assets in Egyptian museums comes as a reflection of its practical and successful implementation on the objects of the Kyoto City Archaeological Museum in Japan under the supervision and support of the ARC. It aims to create 3D modeling of collected objects in a modernist geometric form (X, Y, Z) through precise photography with a special technique, processed with the Agisoft Metashape software v2021.
日時:2023年3月7日(火)-9日(木) 9:00-14:00 (EET)
会場:The Atun Museum, Minya Governorate, Egypt
主催:The Museums Sector at the Ministry of Tourism and Antiquities, Egypt
後援:立命館大学アート・リサーチセンター 国際共同利用・共同研究拠点「日本文化資源デジタル・アーカイブ国際共同研究拠点」(ARC-iJAC)田中覚フェローらの世界遺産・玉置神社での研究プロジェクトが 正式にスタートしました。
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・RARA 研究活動レポート
・玉置神社
・<研究者インタビュー> 田中覚教授 (立命館大学情報理工学部 情報理工学科) “Visualizing Large-Scale Cultural Heritage”2023年2月17日、浮世絵木版画彫摺技術保存協会とのワークショップが、アート・リサーチセンター 文部科学省 国際共同利用・共同研究拠点「日本文化資源デジタル・アーカイブ国際共同研究拠点」(ARC-iJAC)との共催のもと、開催されました。
ARCと浮世絵木版画彫摺技術保存協会との間には長年の協力関係があり、これまでに2011年2月、2015年2月、2019年6月、2022年2月にワークショップが開催されてきました。
ワークショップを通して、彫摺技術に関する情報交換・意見交換を行い、ARC所蔵資料に対する理解の深化、拠点メンバーの彫摺技術に対する知見の深化を図ることを目的としています。
浮世絵木版画彫摺技術保存協会について、
文化財保護法第147条に基づき、昭和53年に浮世絵木版画の彫師・摺師の技術が選定保存技術に選定され、浮世絵木版画彫摺技術保存協会が選定技術保持団体として認定されています。>>浮世絵木版画彫摺技術保存協会
日時:2023年2月17日(金)14:00~17:00
開催方法:オンライン開催(Zoom)
登壇者(話題提供者)・テーマ:
赤間亮(立命館大学アート・リサーチセンター センター長)
「海外の浮世絵コレクション紹介 欧州ドイツ編」
金子貴昭(立命館大学衣笠総合研究機構 准教授)
「立命館大学アート・リサーチセンターの板木コレクション」
松葉涼子(セインズベリー日本藝術研究所 Lecturer)
「Connecting Present to Past: Re-evaluating Japanese Traditional Printmakingプロジェクト報告および葛飾北斎作品の彫、摺の疑問点」