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ロイヤル・オンタリオ・ミュージアム所蔵の浮世絵版画作品(4233点)と古典籍(74点)が公開されました2023年6月 1日(木)
ロイヤル・オンタリオ・ミュージアム(Royal Ontario Museum (以下ROM))が所蔵する浮世絵版画作品(4233点)と古典籍(74点)がアート・リサーチセンター(以下ARC)のデータベースから公開されました。
【浮世絵】
Royal Ontario Museum Ukiyo-e Database
※浮世絵ポータルデータベースからも、所蔵機関に「Royal Ontario Museum (ROM)」と入力すると閲覧できます。【古典籍】
Royal Ontario Museum: Japanese Old Book Database
※古典籍ポータルデータベースからも、所蔵機関に「Royal Ontario Museum (ROM)」と入力すると閲覧できます。ロイヤル・オンタリオ・ミュージアム(ROM)は、カナダのオンタリオ州トロントにある美術、文化、自然史の博物館です。カナダで最大の日本美術コレクションを有しており、その中で最も充実しているのが浮世絵版画です。
ROMの浮世絵版画コレクションのデジタル化は新型コロナウイルスによるパンデミックが近づく2020年3月、移動制限が迫る中、浮世絵版画については全作品を、古典籍については、一部のデジタル化を進めました。その後、ARCでは、データベースに搭載し、メタデータを加えてデータ整理を続けてきましたが、この度、全作品を画像閲覧可能にして一般公開する運びとなりました。 ARCからは、作品ごとに、ROMのコレクションデータベースへのリンクボタンが設置されています。(リンクについては、調整が必要な作品が残ります。)
コレクションには浮世絵版画始期である元禄期の墨摺絵から、大正・昭和期の新版画まで、幅広い時代の浮世絵版画が収集されており、構成ジャンルも多岐に亘ります。
中核となっているのは、ROMの創設者の一人で、初代理事⾧を務められたバイロン・エドモンド・ウォーカー卿のコレクションで、2000点を超える作品は、1926年に遺贈されています。
主要なジャンルの構成は、名所絵1426点、美人画685点、武者絵464点、役者絵375点、物語絵361点(武者絵との重複も含む)となりますが、とくに戦争絵219点が含まれる他、地震絵・鯰絵83点、異人図33点、さらには摺物が201点もあることは注目に値します。絵師では広重〈1〉が750点、月耕716点、北斎300点、豊国〈1〉125点、国貞〈1〉100点、歌麿117点という構成になっています。
この内、武者絵は、マクマスター大学(オンタリオ州ハミルトン)の英語学教授だった故ジェームス・キング氏のコレクションが2009年に寄贈され、充実しました。また、尾形月耕の作品がまとまって収蔵されているのは、2016年にトロントのヨーク大学法学部図書館司書だったバルフォア・ハレヴィー氏が⾧年かけて蒐集した600点以上の作品が寄贈されたからで、月耕の研究には必須のコレクションです。
この公開により、さらなる研究の発展が期待されます。是非ご活用ください。<参考>
・James King and Yuriko Iwakiri: Japanese Warrior Prints, 1646-1904. Hotei, 2007.
・Sir Byron Edmund Walker | Royal Ontario Museum (rom.on.ca):
https://www.rom.on.ca/en/about-us/rom/founders/sir-byron-edmund-walker