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センター長のあいさつ

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 1998年に設立したアート・リサーチセンターは、私たち人類が持つ文化を後世に伝達するために、芸術、芸能、技術、技能を中心とした有形・無形の人間文化の所産を、歴史的、社会的観点から研究・分析し、記録・整理・保存・発信することを目的としています。京都にある総合大学の研究所として、当初から文理融合・連携を前提とし、異分野の研究者の英知を集結させて、人文学研究では珍しい共同研究あるいはプロジェクト型研究を、私立大学学術研究高度化推進事業などの外部資金をベースに展開してまいりました。

 特に、2000年代に入ってからは、2002-6年度文部科学省21世紀COEプログラム「京都アート・エンタテインメント創成研究」に採択され、伝統的な人文学と情報科学を連携させた日本文化研究を推進させました。その成果をもとに、2007-11年度文部科学省グローバルCOEプログラム「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点」の採択を受け、日本のデジタル・ヒューマニティーズの代表的な拠点として国際連携を推進するとともに、若手研究者の育成に力を注いできました。さらに、2014-19年度文部科学省共同利用・共同研究拠点「日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点」に採択され、これまで研究・教育活動を通して蓄積されてきた、有形・無形の日本文化資源に関する膨大なデジタル資料や、その作成技術、国内外の関連機関・組織との人的ネットワークをさらに高度化させ、有効に利活用させるための取り組みを行ってまいりました。

 そして2019年10月には、これまでの取り組みをさらに国際的に発展させた、デジタル・ヒューマニティーズ型研究の国際拠点を目指して申請した文部科学省国際共同利用・共同研究拠点「日本文化資源デジタル・アーカイブ国際共同研究拠点」(ARC-iJAC)(2019-24年度)に採択されました。
 具体的には、以下のような目標を掲げています。

  • アート・リサーチセンターが有する日本文化資源の膨大なデータベースの利用を国内外の共同研究者に開放するとともに、これまでに蓄積してきたデジタル・アーカイブ技術やデータベース管理技術を研究プロジェクト活動の基盤として提供し、情報アーカイブ・知識循環型共同研究を推進します。
  • デジタル・ヒューマニティーズ型の研究プロジェクトを広く国内外より公募し、これまで蓄積してきた海外日本文化研究拠点(美術館・博物館を含む)との人的ネットワークを活用しながら、従来にない広がりを持つ研究コミュニティ創出に寄与します。
  • 専門性の高い文化資源型データベースの継承という課題について、実用的な手法を開発、提案し共有化します。

 アート・リサーチセンターは、これらの目標のもと、これまでの研究活動・研究プロジェクトを通じて、国内外の貴重な文化財のデジタルアーカイブを行ってきました。浮世絵を含む絵画や古文書のアーカイブおよびその解析においても多くの実績があります。立命館大学の発祥の地である京都では、祇園祭における山鉾建てや山鉾巡行を、最新のCGVR・音響解析技術を活用してデジタルアーカイブ化してきました。また、二条城の本格的な3次元計測を国内で初めて行いました。奈良でも、當麻寺、玉置神社など、国宝やユネスコ世界遺産を含む貴重な文化財のデジタルアーカイブを行ってきました。さらに海外でも、インドネシアのユネスコ世界遺産・ボロブドゥール寺院を、外国の研究機関としては初めて本格的に計測し、デジタルコンテンツを構築しました。そして現在も、中東や欧州で、新たな文化財デジタルアーカイブの国際共同研究を立ち上げつつあります。これらの成果の一部は、アート・リサーチセンターのホームページで閲覧できますので、ぜひご覧下さい。

 アート・リサーチセンターには,国内外の様々な分野の研究者が集い,文理融合型の新しいスタイルでの研究を進めています。立命館大学においても,文学部,情報理工学部,映像学部,デザイン・アート学部(20264月開設),政策科学部,国際言語文化研究所,理工学部,経営学部、アジア・日本研究所など,多様な分野の研究者が参加しています。国内では数少ない本格的な文理融合研究の中核組織として,これからも他大学・他研究機関との共同研究や国内外の有力研究機関との連携を推進し,若手研究者の育成や研究成果の効果的な発信・社会還元に取り組んでまいります。さらに,デジタルアーカイブを基盤として,文化財の新たな理解と価値創出を促進し,デジタル・ヒューマニティーズ分野における“世界水準の研究拠点形成”を目指してまいります。