No. | 研究課題名/研究代表者所属・職名・氏名/概要(研究課題名をクリックすると表示) |
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舞鶴市糸井文庫蔵浦島伝説関連資料の基礎的研究 A Basic Study on Primary Sources related to Urashima Legend in the Collection of Itoi Bunko Library in Maizuru City |
静岡英和学院大学 人間社会学部 人間社会学科 准教授 畑 恵里子 |
浦島伝説には補完すべき課題がある。近世亨受の解明である。それによって、古代の伝説が近世に大衆化し、現在認知度の高い作品たりえた背景を解明することが可能である。それに、異界が鍵となる本伝説の分析は、日本文化史の解明に有効的である。 そこで本研究では、舞鶴市糸井文庫における未整理の浦島資料へ翻刻・現代語訳・英訳という基礎的作業を集中的に行い、異界表現の語彙の分析から宗教感覚の一端を解明することを主な目的とする。 特に、アート・リサーチセンターのシステムにおける舞鶴市糸井文庫閲覧システムを対象として、新規に翻刻した資料のWEB公開を通じて、国内外の研究者や一般設国民に資するようにする。 |
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University of Oregon Nōsatsu Digitization and Metadata Cataloging Project |
オレゴン大学 Japanese Studies Librarian Kevin MCDOWELL |
The University of Oregon Libraries holds one of the largest collections of Japanese shrine and temple votive slips (nōsatsu) in the world. The collection of Japanese Votive Slips comprises nōsatsu dating from the 1850s to 1990s in approximately 90 albums with 9,000 individual images. 40 of the 90 albums have been digitized and uploaded to the Oregon Digital database (https://oregondigital.org/sets/gb-warner-nosatsu). These digitized albums all have a basic level of metadata cataloging in English. The goal of the project is to digitize the remaining 50 albums or so and add more detailed metadata in both English and Japanese. For metadata cataloging we have started to develop a network of nosatsu collectors/experts to participate in crowdsourcing the metadata. |
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世界各地の伝承遊戯(ゲーム)の収集、保存及びこれらの体系化と文化的な関連性の研究 Collection and Preservation of Traditional games from around the world, the Systematization and the Study of Cultural relevance of them |
四天王寺大学 非常勤講師 梅林 勲 |
世界各国・地域には、伝統的に受け継がれている独特の遊びが数多く存在する他、同系統の遊びでも、地域の特色を生かしたルールや用具のバリエーションが数多く存在します。しかし、これらのルールや用具は、1970年代半ばから80年代にかけて一部の地域を除き、急速に姿を消しつつあります。近年、インターネットの普及と発展により、遊び方そのものは復活をしているものがありますが、用具を入手するのは困難になりつつあり、民族的な遺産としてもこれらのものを保存、収集していくことには大きな意味があると思います。 このような理由から世界の国や地域に存在する様々な遊びや用具、及びそのバリエーションを出来うる限り保存、収集し、加えてそれらの比較対象から各国、地域、時代におけるルールや用具の変化、民族的な文化の関わりを研究することを課題とします。 |
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60年代の日本のテレビドラマにおける幽霊表象の研究:歌舞伎の影響を中心に Representation of Ghost in Japanese TV Series in 1960s: Focusing on the Impact of Kabuki |
京都大学文学部 非常勤講師 朴美暻 |
申請者(朴)は現在、日本と韓国における幽霊/鬼神の視覚イメージ(表象)の変遷、特に、日本の舞台芸術や映画における幽霊表現が韓国の鬼神イメージの形成に与えた影響や、それらの表象から読み取れる日韓の社会観、家族観、女性観の比較を研究している。その一環として、本研究では、日本の歌舞伎に登場する幽霊の姿形やしぐさなどが、後世のホラー映画やテレビの怪談ドラマシリーズにおける幽霊表象にどのような影響を与えているのかを、立命館大学アート・リサーチセンターの豊富なデータベースを利用することによって明らかにしたい。 |
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第三期役者評判記本文を中心とする役者評判記総合情報書庫構築の研究 A Research Project on Construction of Comprehensive Digital Archives Focusing on the Third Phase Yakusha Hyobanki |
愛媛大学 法文学部 教授 神楽岡 幼子 |
役者評判記は、歌舞伎の演技や役者の動向、興行の実態などを追うことのできる基本的な演劇資料である。そのために、万治から明和期(1658-1772)の役者評判記を翻字した『歌舞伎評判記集成』の第一期・第二期(岩波書店、1972-1977・1987-1995)がすでに刊行され、安永から享和期(1772-1804)を対象とした第三期(和泉書院、2018-)の刊行も進んでいる。 本研究では、第三期の対象となる役者評判記について、ARCのクラウドやデータベースを活用しながら翻字テキストデータの正確性を高めつつ、用字の問題、諸本異同の問題等、役者評判記の諸問題を分析することにより、より有効な役者評判記の活用のあり方を提示し、また、蓄積された正確な翻字本文を索引データベースとして構築し、さらなる広範な利用を実現することを目的とする。 |
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ARC所蔵の短編映画に見る第二次大戦後のフランスの観光イメージーー旧日仏学館蔵のフランス短編映画を通して Tourist images of France after the Second World War - Through French short movies held in ARC |
京都精華大学 名誉教授 島本 浣 |
現在、ARCには旧関西日仏学館図書室所蔵の多ぐの短編映画フィルム(フランスを紹介する観光宣伝用と思われる)が所蔵されている。アニメーションから美術、文化、ファッション、フランスの都市や地方の紹介映画等々、ジャンルはかなり幅広い。主に第二次大戦後に制作されたと思われる映画611点である。その多くはフランスのイメージを海外に伝える意図を持つ自国観光案内としても考えられる。本研究は、この映画の制作日的、使用方法を確定しつつ、映画そのものを分析しながら、戦後のフランスがどのような自己イメージを海外に伝えようとしていたのかを検証するものである。そこから観光大国フランスの文化戦略も浮かび上がってくるだろう。 |
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Providing descriptive metadata and transcriptions for Collection of correspondence and poems from various officials from the Kumamoto domain スタンフォード大学東アジア図書館所蔵熊本藩文人書状集内容翻刻 |
スタンフォード大学東アジア図書館 テクニカルサービス主幹/日本担当テクニカルサービス司書 マッザ美恵子 |
スタンフォード大学東アジア図書館が所蔵する「熊本藩文人書状集」(83点の書状、17点の漢詩からなるコレクション)は現在最小限のメタデータしか存在しないため、立命館大学ARCの「くずし字翻刻学習・指導システム」を使用し当コレクションが既に作成済みのデジタル画像から研究代表者(マッザ)が翻刻文を作成する。翻刻文に基づきスタンフォード大学東アジア図書館OPAC上に公開されるメタデータの充実に努める。 昨年度は諸事情により研究が当初の計画通りに進まなかった為、昨年度に引き続いての申請とした次第である。2020年度の研究申請が受諾されたあかつきには、2019年度研究目標で実現できなかった全文書の翻刻を完了する予定である。また、熊本市の郷土史家等に連絡を取り、書状内の諸事項について不明な点を問い合わせることも考慮している。2019年度の経験から2021年期限終了までに上記の目標を達成することは十分可能だと考えている。 |
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京都の活動写真製作及び興行における横田商会の意義 The Significance of Yokota Shokai In Film Production And Movie Screening From New Materials |
関西大学社会学部・非常勤講師/長谷映像事務所・映像監督 長谷 憲一郎 |
日本映画草創期に、映画の導入から普及、発展まで最も寄与した一人の京都の実業家、横田永之助が、兄の万寿之助と共に最初期の映画会社である横田商会を立ち上げ、映画館がまだなかった時代に10を超える巡業隊を組み、地道に全国を回りながら映画興行を行ったこと、及び横田が映画の父、牧野省三を見出し、映画最初のスター、尾上松之助と164本もの映画を撮ったという功績は、よく知られている。しかし、京都をベースに明治末期から活動していた横田商会について、その実態や詳細は明らかになっていない。申請者は、横田商会の貴重な資料(紙媒体、写真、映画フィルム)の調査・発掘・研究を2018年から行っており、2019年度はアートリサーチセンター研究費配分型共同研究員に採択されたことにより、多くの遺品資料のデジタル化ができた。今年も継続して、さらに遺品資料のデジタル化を進め、その資料の調査・研究を進めていきたい。 |
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「目玉の松ちゃん・尾上松之助 活動写真デジタル資料館」の内容拡充 |
尾上松之助遺品保存会・代表 松野 吉孝 |
日本映画の草創期に「目玉の松ちゃん」の愛称で慕われ、1000本もの映画に主演した尾上松之助の遺品・資料のデジタル化を進める。 今年度で4年目となり、次の点を重点課題として取り組んで参りたく。 1. 昨年度、「公開を優先」した各資料の説明付け作業を進める。特に松之助映画の画像資料について、作品名、封切り日、各配役名・役者名調査に、昨年資料収集に努めた「映画雑誌」資料を活用し充実を図る。 ・特に映画雑誌に掲載されていた「すじがき」の紹介も実現させ、「松之助映画」の内容分析につなげる。 2. 保存会以外の先が所蔵されている貴重な松之助資料を、このデジタル資料館で公開して頂けるように、引き続き依頼を進め、公開資料内容の拡充を図る。 ・東映太秦映画村様(展示コーナーの松之助遺品)、豊国神社様(大正14年・豊国祭紀要)、日活様(日活40年史)、その他有力機関ご所蔵品など。 3. 松之助・肉声の公開(史劇・楠公訣別・レコードより)など、「新たな分野の公開」を、赤間先生はじめ、諸先生方のご協力を得て進めて参りたく。また保存会調査資料の公開も進め、「研究文献」の充実に努める。 4. 「尾上松之助没後95年記念・特別上映会、展示会」の開催(9月11日(松之助命日)の開催を企画) ・これを呼び水として、各有力機関に対して、松之助資料の展示への協力を呼び掛ける。 ・松之助映画のフィルムは、作品の一部しか残っていない物も含め10作品程度ながら、絵葉書ブロマイドなどで「400作品以上の画像公開」に挑戦する。 |
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法政大学図書館所蔵の正岡子規文庫資料のデジタル化およびアーカイブ上での公開 Digitization of “The Masaoka Shiki Collection” belonging to Hosei University Library and Publication on Archive |
法政大学 文学部 日本文学科・教授 中丸 宣明 |
これまで法政大学図書館の所蔵の貴重書「正岡子規文庫」のうち資料価値の高いものを撮影・デジタルデータ化し、「法政大学図書館デジタルアーカイブ」上で公開してきた。研究者から一般の利用者まで広く活用してもらえるよう、引き続き、古典籍ポータルデータベースと連携していく。 また既存メタデータの書誌修正・整備を行うなど、デジタルアーカイブの内容品質向上に注力していく。なお「正岡子規文庫」は、俳人正岡子規の旧蔵書のうち和漢籍や自筆ノート等約2100点からなり、1949年に法政大学へ寄贈されたものである。 これまで図書館の事業として、すでにデジタルアーカイブサイト構築に取り組んでおり、現在貴重資料である「正岡子規文庫」「梅謙次郎文書」計444点約27,800 カットが公開中である。 |
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アート・リサーチセンター番付ポータルデータベースを活用した興行番付のグローバルアーカイブ構築研究 Research on Construction of Global Archive of Playbill by Utilizing Art Research Center Banzuke Portal Database |
立命館大学衣笠総合研究機構・プロジェクト研究員 倉橋 正恵 |
江戸時代の演劇や相撲、見世物などの興行で、宣伝のために作成されるポスターやチラシ、パンフレットなどを指して「番付」と呼ぶ。番付は宣伝効果を狙うために、興行が始まる前から大量に制作され、広く配布・販売された。これらは分野ごとに膨大な数が残存しているが、ほとんど整理されることがないままに残されているというのが現状である。番付は興行そのものを直接に記録した第一次資料であり、またその残存数の多さから、ビックデータ型の文化史資料群としての価値を持つ。 本研究では、日本各地、あるいは世界に散在する番付について、アート・リサーチセンターが浮世絵や古典籍で展開した方法と同様の手法を用いて、番付をデジタル撮影すると同時に番付に記載されている興行情報もデータベース化する。このことにより、これまでに存在しえなかった大規模な興行年表データベースの構築を目指すものである。 |
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能楽の効果的な世界にむけた発信に関する研究 Study on the Effective Promotion of Noh Theater to the Global Audience |
公益財団法人 片山家能楽・京舞保存財団 片山九郎右衛門 |
2020年度からの環境変化にともない古典芸能の世界でもパフォーマンスの新たな発信方法を摸索する段階に入った。 京都観世会が関る公演につても、この状況をうけ、オンライン型での公演を計画しているが、どのような方法が、こうした日本を代表する文化を世界に向けて発信するのに最もふさわしいかについて、アート・リサーチセンターの持つノウハウを生かしつつ検討し、実践型で研究を進める。 |
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全国高地性集落のデジタル資料化とデータベース構築―弥生時代高地性集落の列島的再検証に向けた基礎的研究― Yayoi upland settlements database project: toward a new framework for the study of upland settlements of the Yayoi period |
(公財)古代学協会 客員研究員 森岡 秀人 |
考古学上熟知されてきた高地性集落は、年代論を根幹とする歴史の大きな枠組みが破綻する中で、歴史的評価が著しく多様化し、大きな転換期を迎えている。そこで申請者らは、これまでに蓄積された調査成果・研究業績を踏まえつつ、利用可能となった新たな技術も用いながら、列島各地における高地性集落の時期、立地、遺構、遺物、分布などの実態を総合的に検討し、その歴史的性格を実証的に再評価してゆくことを構想している。この実現に向けた基礎研究として、本研究では全国各地の高地性集落について情報収集とデジタル資料化を行い、データベースを構築する。従来培われてきた考古学的手法に依りつつも、GISやリモートセンシング(高解像度衛星画像やドローン)、3次元測量などによって遺跡情報を取得する点に特徴があり、新規性と独自性をもつ試みであるといえる。構築したデータベースについては、弥生時代研究を中心にさまざまな方面で活用できるよう、適切な形で整備・公開する。 |
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黎明期広告業界誌『プレスアルト』広告現物の研究 Study on advertising materials that early advertisement trade journal " Press Art " distributed |
同志社大学 社会学部 教授 竹内 幸絵 |
本研究は昭和12(1937)年に広告現物の頒布を目的に京都で創刊された広告業界誌『プレスアルト』の調査とデータベース化によって、広告表現を時代意識の有力な証言者と位置付けた探究に資することを目指すものである。同誌は戦時5 年の停止期をはさみ昭和61(1986)年まで、およそ45年間月刊で発刊された。発行部数が極めて少なく幻の存在だったが、334号分、およそ6千点に及ぶ広告現物のほぼ全てが発行人遺族宅にて発見された。同時期の広告現物資料としては比肩する類例がないこれらを、本研究で調査しデジタルデータベース化する。付属冊子に記載の発行年、印刷種別、制作経緯等とあわせみる事が可能な形式を構築し、社会学・デザイン史・写真史・メディア史といった多方向からの学際的なアプローチが可能な広告史探究資料となることを目指す。 |
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Archiving and Utilization of Japanese Performing Arts Materials on JPARC (Japanese Performing Arts Research Consortium) |
京都産業大学 文化学部 准教授 Diego Pellecchia |
This project aims at fostering appreciation for research on traditional Japanese performing arts through providing contextualized media resources. It focuses on 1) creating and populating databases dedicated to audio and visual records of performances, masks, costumes, properties, and other documents related to traditional Japanese performing arts. 2) creating, developing, and maintaining websites dedicated to various genres of traditional Japanese performing arts, such as nōgaku, kabuki, and bunraku. 3) Establishing a network of specialists contributing to 1) and 2) through the Japanese Performing Arts Research Consortium (JPARC). |
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役者絵の考証 Historical investigation of the picture of a kabuki actor |
早稲田大學演劇博物館 招聘研究員 桑原 博行 |
役者絵研究会は、世界最大級の役者絵所蔵機関である早稲田大学演劇博物館が所蔵する47,542枚の役者絵を基に、歌舞伎興行の資料である、辻番付、役割番付、絵本番付、役者評判記、歌舞伎年代記等の同時代資料を駆使して役者絵の年代や人物、興行を考証していく作業を、毎月一回行っている。初代歌川豊国の文化文政期の作品はほぼ考証を終え、現在では初代歌川国貞(三代歌川豊国)の作品を中心に、文化から幕末までの作品を考証している。本データベース上で考証し、蓄積された情報は、早稲田大学演劇博物館のデータベースで公開され、世界中の役者絵研究者が使用している。 役者絵の考証は、絵師の落款の変遷が明らかにするだけでなく、年代確定をし難い美人や名所絵などを描いた浮世絵師の落款から年代を明らかにすることによって、浮世絵全般に寄与する基礎的な研究となっている。 |
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南画家 甲斐虎山作品のデジタル化と発信 Digitization of Nanga Paintings by Kai Kozan (1867-1961) |
京都女子大学家政学部 准教授 前﨑 信也 |
甲斐虎山(1867-1961)は大正から昭和にかけて大分と京都で活躍した南画家であり、独特の雰囲気をもつ山水画は近年国内外で注目を集めている。彼の妻は京都女子大学の礎を築いた甲斐和里子(1868-1962)であり、大学の前身である文中女学校で校長を務めた虎山には教育者という一面もあった。2020年、京都女子大学は創基100周年を迎え、甲斐夫妻を顕彰する展覧会を予定している。その成果を記録し、甲斐虎山の画業をまとめた書籍・ウェブコンテンツとして国内外に発信するために、京都女子大学図書館などが所蔵する甲斐虎山・和里子作品のデジタル化と発信を行う。 |
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18世紀の上方・江戸における出版と都市文化の関連性 The Relationship Between Publication and Urban Culture on Kamigata and Edo in 18 Century |
国際日本文化研究センター 特任助教 石上 阿希 |
本研究では、江戸中期に京都を拠点として活躍した浮世絵師である西川祐信(1671~1750)に着目し、18世紀上方出版文化から江戸の都市文化へと続く知の連環を考察する。 祐信は、上方だけではなく、江戸の絵師にも大きな影響を与えた絵師であり、多様な出版文化の展開を担った重要な人物であるにも関わらず、これまで十分な研究がされてきたとは言い難い。本研究は、祐信という絵師を核とした知的活動の展開と上方文化の江戸流入を明らかにすることを目的とする。 研究活動の一つとして、毎月1回 アート・リサーチセンターにて西川祐信の着物雛形本『正徳雛形』の研究会を開催。染織、文学、美術など様々な研究者をメンバーとして『正徳雛形』に記載された各雛形を分析し、模様の典拠となった文学、演劇との関連性を考察する。 |
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服装・身装文化デジタルアーカイブの国際化:バーチャル・インスティテュートの活用を前提として Internationalization of the Clothing Culture Digital Archive by Using the Virtual Institute |
国立民族学博物館 外来研究員 高橋 晴子 |
本研究は、MCDプロジェクト作成のデジタルアーカイブを、ARCのバーチャル・インスティチュート機能を用いて提供するものである。バーチャル・インスティチュート『服装・身装文化デジタルアーカイブ』は、1) 衣服・アクセサリー標本データベース、2)身装画像データベース〈近代日本の身装文化〉、3) 近代日本の身装電子年表、4) 身装文献データベースの4本から成り、国立民族学博物館のデータベースと連動している。今後の優先課題としては、これら4本のデータベースのうち、とくに外国からの需要の高い、1) 衣服・アクセサリー標本データベース、2)身装画像データベース〈近代日本の身装文化〉の英語化を実践し、ヴァーチャル・インスティチュート『服装・身装文化デジタルアーカイブ』を充実させることである。 |
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国立音楽大学附属図書館「竹内道敬文庫」のデジタル化およびVirtual Instituteでの公開 The Kunitachi College of Music Library - Digitization and Virtual Institute Publication of the collection of Takeuchi Michitaka |
国立音楽大学附属図書館 館長・教授 井上 郷子 |
本課題は、国立音楽大学附属図書館の代表的コレクションの一つ、「竹内道敬文庫」のデジタル化と公開を目的としている。2019年3月には同コレクションのうち、錦絵のデータベースを公開したが、2020年度は、『国立音楽大学創立90周年記念事業 竹内道敬文庫錦絵図録』を元にしたオンライン・デジタル展示のリリースを目指す。 |
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SISJAC Digital Archives on Japanese Materials |
Senior Digital Humanities Officer, Sainsbury Institute for the Study of Japanese Arts and Cultures (SISJAC) 松葉 涼子 |
The project aims to create comprehensive digital archives of the SISJAC collections of Japanese paintings, prints, illustrated books, decorative arts and old maps, and published the archives online through its website including digital exhibitions. |