2.純歌舞伎 ⇒TOP

●純歌舞伎物

 もともと、歌舞伎で作られたものですが、長い歴史の間に少しずつ変化を遂げています。古い形の純歌舞伎は、歌舞伎十八番のような作品です。また、鶴屋南北による生世話物も純歌舞伎です。河竹黙阿弥による幕末の作品群ー白浪狂言と呼ばれるーも純歌舞伎に含まれます。
 ただし、黙阿弥の作品には、義太夫の語りが伴うこともあります

●三人吉三廓初買

万延元年(1860)正月市村座初演。
作者:河竹黙阿弥

百両の金と、兄弟の恋をからめ、洒落本「傾城買二筋道」の文里、一重の情話をない交ぜにした。
文里一重の筋を抜いて、「三人吉三巴白浪」という。

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●梅初春五十三駅

天保6年(1835)正月 江戸・市村座初演

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●東山桜荘子(ひがしやまさくらぞうし)

通称:佐倉義民伝

三世瀬川如皐作。

織越家の暴政で疲弊した村民のために、将軍義政へ直訴して、成敗される佐倉宗吾を描いた作品。初めての農民劇であり、社会劇とも呼べる。悲惨な子別れ、残酷な責め場、ケレンを使った怪談。早替りやだんまり等を加えた盛りだくさんの場面。田舎源氏の美しい舞台を点描する。純歌舞伎に義太夫--チョボという--を入れたのはこの作が最初で、黙阿弥は、この手法をさかんに使った。

●「五大力恋緘」


<登場人物>
九州千島の家中・薩摩源五兵衛。
千島の家中・笹野三五兵衛
千島の家中・出石宅右衛門
千島の若殿・千太郞
源五兵衛若党・八右衛門
三五兵衛中間・土手平
仲町の芸者・小万
小万の廻し男・弥助
深川大和町の家主・丸屋六右衛門
(重宝)竜虎の呼子

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