2009年3月14日

シンポジウム「海外における日本文学の時空間」

下記の内容でシンポジウムを開催しました。
討議の充実した内容となりました。本会の記録は、2009年度に報告書として作成予定です。
 
【日程】 2009年3月14日(土)13:00-17:00
【場所】 立命館大学アート・リサーチセンター 多目的ルーム
 
【テーマ】 海外における日本文学の時空間(クロノトポス)―比較文化研究とデジタル・ヒューマニティーズ―

【パネリスト】
真銅 正宏 (同志社大学)
西原 大輔 (広島大学)
須藤 直人 (立命館大学)

【司会・コメンテーター】
木村 一信 (立命館大学)

【主催】 文部科学省グローバルCOEプログラム「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点」(立命館大学)
【企画】 日本文化研究班・木村研究室

*終了後、18:00より「とさや」にて懇親会。

チラシ[PDF]

開催趣旨は、「続き」をご覧ください。

 
【開催趣旨】
 現在の人文科学研究は、インターネットなど情報技術の発展によって、従来にまして国際化が進展している。特に最近では、データベースやデジタルアーカイブなど資料の整理・統合と発信を中心としたネットワーク型の研究が主導的となり、研究者間のグローバルな連携も緊密なものとなりつつある。
 日本文化・日本文学研究もまた、このような状況に対応した新しい問題意識が求められている。本拠点がその方向性の一つとして構想するのは、海外から見た/海外における日本文化・日本文学という視点である。近代は「移動」の時代だったといえる程、社会的・空間的な移動が経験された時代だった。留学・旅行・移民・植民・戦争など様々な形で海外へと赴いた人々は、現地文化との接触によって自文化に何らかの変容を被った。このような体験を文学作品から読み解くと同時に、逆に他文化の中で「日本文化」がどう表象されたかという比較や相互影響関係の検討も、今後の研究課題として残されている。特に近年の文学研究は、文学ばかりでなく他の芸術ジャンルや大衆文化など、より広範なコンテキストの中で作品を位置づける方向にあり、扱う資料が質量ともに増大している。ここではデータベースによる資料の整備や、複数のコンテンツを扱うことの可能なマルチメディア環境の活用が期待できる。これらデジタル技術の応用によって、これまでの比較文化研究にも新しい知見がもたらされるのではないだろうか。また資料の共有化による国際的な共同研究も開けてくるだろう。
 本シンポジウムは、文学研究における問題意識とそこでの情報技術の活用や可能性について討議するものである。