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ARC-iJAC Activities

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ワークショップの内容 2021年5月27日(木)、立命館大学アート・リサーチセンター(以下ARC)は、セインズベリー日本藝術研究所(SISJAC)、セインズベリー視覚芸術センターと英国イーストアングリア大学との共同で、デジタル・アーカイブの技術面に焦点をあてたワークショップを開催しました。

赤間亮教授(立命館大学文学部)は、日本の掛け軸を例に、機材のセッティングから撮影場所の設定、照明の調整、作品を扱う上での注意点、撮影方法、確認方法、番号の付け方など、実際にデジタルアーカイブするための流れを説明しました。

学生のデジタルアーカイブの体験その後、日本の学生がデジタルアーカイブを体験しました。
撮影した写真はすぐに英国の学生と共有され、赤間教授の指導のもと、画像の質や正確さについて議論されました。

本ワークショップは、日本の美術作品をデジタルアーカイブするためのスキルや方法を、オンラインで若手研究者に提供することで、日英間の研究交流を促進するためのプロトタイプとなりました。

また、ワークショップの内容は、ARCの日本美術コレクションのデジタルアーカイブ技術を世界に広めるという目的に沿って、録画されました。
今後、デジタル化プロジェクトのための教材や参考資料として活用されることが期待されます。

本企画は、日本文化資源デジタル・アーカイブ国際共同研究拠点(ARC-iJAC)及び、SISJACの「Digital Japan Project」の一環として行われています。

SISJAC's report of the workshop→

※このイベントは非公開となっております。

6月5日(土) 立命館大学 河角直美准教授の「カラーで写された占領期の京都」が京都新聞に掲載されました。

70年前の戦争をくぐり抜けた京都のカラー写真をもとに、デジタル技術を用いた人文学に取り組む河角直美准教授が、古い地図を現在の地図に重ね、建物や家々が戦前戦後に何だったか知ることができるオーバーレイマップを利用して、占領期カラー写真を読み解いた記事が紹介されています。

記事内には、約70年前の京都ホテルの写真や、1948年に米軍関係者が撮影した三条大橋西側付近からの写真が掲載されています。

2021年5月22日(土)に「日中文化交流と人文学の新たな座標」をテーマとした、第二回 立命館大学-清華大学 国際学術シンポジウムが開催されました。

本シンポジウムは、中国・清華大学人文学院と立命館大学大学院文学研究科、立命館大学アート・リサーチセンター(以下、ARC) 国際共同利用・共同研究拠点(ARC-iJAC)の共催で、立命館大学アジア日本研究推進プログラム「『アジア芸術学』の創成」の後援を受けて行われました。

開会にあたり立命館の仲谷善雄総長は、今回のシンポジウムが清華大学や中国の人々と立命館との研究、学術交流を促進し、友好を深める絶好の機会であると挨拶しました。

続いて、清華大学人文学院 倪玉平副院長が、パンデミックなどの危機的状況や複雑な課題の中で、自然科学に加えて人文科学が重要であることを強調し、両大学の包括的パートナーシップを深めていきたいと話しました。

両大学の研究実績紹介
デジタル・ヒューマニティーズの視点や研究活動についての発表

くずし字翻刻システム 立命館大学の金子貴昭准教授は、資料の保存・修復からデジタル化までの流れを一元化した「ARCモデル」、オンライン研究空間の「ARCリサーチ・スペース」を紹介しました。
また、デジタル化されたコンテンツを研究に活用するための浮世絵ポータルデータベース古典籍ポータルデータベース、演劇の上演関係資料を収録する番付ポータルデータベースなどの研究資源別に専門性を持たせたポータルデータベースの運用についてもお話しがありました。デジタル・ヒューマニティーズの研究を支援するためにARCが運用している強力なツールである「くずし字翻刻システム」は、くずし字に使われる草書体の解読支援機能をAIに持たせた解読学習・教育支援システムです。このシステムは、くずし字解読の人材育成システムとしての役割も担っています。
現在ARCでは、原資料の取り扱いからデジタル化、データベース構築から成果発信まで、研究者が主体となって取り組めるオンライン研究体制を整え、ボーンデジタル型の循環型研究を実現できるよう、研究実践とノウハウ開発に取り組んでいることが示されました。

ARC地図ポータルデータベース立命館大学の矢野桂司教授は、洛中洛外図屏風のポータルサイトと比較システムについての研究発表を行いました。
現在、国内外で約170もの洛中洛外図屏風の存在が確認されており、これらを一覧できる洛中洛外図屏風ポータルデータベースの構築に取り組んでいること、さらに、複数の洛中洛外図屏風と当時の古地図や現在地とを比較することのできる 洛中洛外図4画面比較 の構築を行い、洛中洛外図屏風の変遷を明らかにすることを可能にしたと述べました。
また、国内外の図書館・博物館などが所蔵する日本で作製・出版された過去の地図・絵図などの古地図を、インターネット上で検索、閲覧、分析することができる、WebGISベースでのポータルサイト「Japanese Old Maps Online」についても紹介しました。
日本の古地図を横断的に検索できるARC地図ポータルデータベース、誰もが簡単に現在の地図との重ね合わせを可能にするジオリファレンス・システム 日本版Map Warper、そして、それらの古地図をWebGISで表示・分析・公開するJapanese Old Maps Onlineなどの開発を行っています。

清華大学の王成教授は、明治・大正の「修養の時代」に合わせて、近代日本における『菜根譚』の受容について述べました。明治十年代から、社会での成功のために、精神の「修養」や人格の形成が大きくクローズ・アップされるようになり、日本社会の文化現象となりました。『菜根譚』は修養書として評価されており、江戸時代から読まれてきた『菜根譚』は、明治期には煩悶に苦しむ人々を慰め、心の安らぎを与える修養書として、翻刻だけでなく、注釈書も多数出版され、ベストセラー的なものだったと紹介しました。

清華大学、立命館大学をはじめ、大学や研究機関から多くの方々が参加し、活発な議論が行われました。

多様なテーマでの新しい研究成果が生まれることに期待

アート・リサーチセンター長細井浩一教授シンポジウムの最後に、アート・リサーチセンター長である細井浩一教授は、両大学がデジタル・ヒューマニティーズ研究に力を注ぐことで、デジタル技術の力を借りて、さらに多様なテーマで新しい国際共同研究のスタイルが生まれることを期待していると述べました。

シンポジウムに参加した仲谷総長は、「データベースやデジタルアーカイブを使って、多くの人が日本文化を研究していることに感銘を受けた」と述べ、これらのアーカイブから多くの新しい研究成果が生まれることに期待を寄せました。

シンポジウムの企画・運営を主導した西林孝浩教授は、講演者、参加者、関係者の皆様に感謝の意を表し、「人文学を出発点として、清華大学と立命館大学の研究交流がさらに深まり、デジタル人文学など他の分野にも広がっていくことを強く期待している」と述べました。

共同学術シンポジウムとして二回目の開催となった本シンポジウムは、清華大学と立命館大学の協力関係の強化につながり、双方の人文学とデジタル技術研究の進歩を示す有意義な機会となりました。

※新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、本イベントはオンライン開催となりました。

第二回 立命館大学-清華大学 国際学術シンポジウム   第二回 立命館大学-清華大学 国際学術シンポジウム

第二届 立命馆大学-清华大学国际学术研讨会   第二届 立命馆大学-清华大学国际学术研讨会

日  時: 2021年5月22日(土)14:00~18:20
実施方法: Zoomによるオンライン開催(日本語・中国語の同時通訳あり)

共催:清華大学人文学院、立命館大学大学院文学研究科、立命館大学アート・リサーチセンター国際共同利用・共同研究拠点(ARC-iJAC)
後援:立命館大学アジア日本研究推進プログラム「『アジア芸術学』の創成」


参加費:無料

お申し込み方法
r-darc (at) st.ritsumei.ac.jp (at を @に変えてください) にて受け付けます。
「件名:【申込】清華大学・立命館大学国際学術シンポジウム」として、所属・お名前・連絡先メールアドレスを明記した申込メールを上記まで送ってください。
申込を受け付けましたら、Zoomアドレスをお送りします。

お問い合わせ先
立命館大学衣笠キャンパス アート・リサーチセンター事務局 r-darc (at) st.ritsumei.ac.jp (at を @に変えてください)
075-465-8476(月~金 9:00~17:30)


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立命館大学文学部の赤間亮教授(アート・リサーチセンター副センター長)が、2021年4月20日に開催された学術交流ウェビナー 「Scenic Views and Supernatural Beings」にゲストスピーカーとして参加しました。
ウェビナーの様子をJAPAN HOUSE Los AngelesよりYoutubeにてご視聴いただけます。

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このウェビナーは、日本の文化を紹介し、認知度を高めることを目的とした日本外務省のプロジェクトである「JAPAN HOUSE Los Angeles」が主催し、10カ国から400名以上の方が参加されました。

赤間教授は、LACMAの日本美術キュレーターであり、スクリプス大学のアドバイザーでもある Hollis Goodall氏とともに、19世紀の浮世絵に見られる新しいテーマ、特に鬼や幽霊、怪物などを題材にした作品(木版画)の増加について語りました。
赤間教授は、アート・リサーチセンターの56万点以上の浮世絵を含む膨大な「浮世絵ポータルデータベース」を構築・管理しています。

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The Art Research Center (ARC) is delighted to announce that the restoration of a set of Shuten-doji picture scrolls is complete.

Background

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Previously in private possession in the US and Europe, where it escaped the fires of World War II, a set of damaged picture scrolls depicting the folk tale of Shuten-doji returned to Kyoto for the first time in 130 years.

The tale of Shuten-doji, a mythical demon leader, thought to be residing in Mt. Oe northwest of Kyoto, has often been featured in noh and kabuki plays.

The picture scrolls are estimated to date back to around 1650--a time when the production technology of picture scrolls was at its most advanced level.

ARC's Crowdfunding Project

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Entrusted with its restoration, the ARC started a crowdfunding project two years ago to preserve the picture scrolls for future generations. We have since been able to beautifully revive these precious cultural assets thanks to a great number of supporters.

In charge of the restoration was Oka Bokkodo Co., Ltd., a Kyoto-based company that draws from over a century of experience in the preservation and conservation of cultural heritage.

Iwataro Oka--company director of Oka Bokkodo Co., Ltd.--handed over the third and last restored picture scroll, whose restoration was considered particularly difficult, to Professor Ryo Akama (College of Letters)--Deputy Director of the ARC--to mark the project's completion.

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In the next step, the ARC is going to digitize and make these picture scrolls publicly available in our center's web database.

We express our deepest gratitude to Oka Bokkodo Co., Ltd. and all our supporters of the Shuten-doji crowdfunding project.

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Project Overview

Professor Gerstle, thank you for your time today.sjL3-0004_ed2.jpg

As the leader of the FY2020 ARC-iJAC project "Cultural Salons and the Visual Arts in Kyoto and Osaka, 1750-1900: Digitizing Kamigata Surimono and Paintings", could you please tell us the reason why you started this project?

Prof. Gerstle: I have been fascinated over the years by discovering how common it was in the Edo period for men and women of all ages and statuses to be active in cultural pursuits (遊芸) for pleasure.

I first realized this in researching gidayū amateur performance, where I found that until World War II gidayū as a hobby was popular all over Japan. I then saw how kabuki actors circulated among patrons and fans via haikai gatherings. Pursuit of the arts also importantly was a way for women as well to socialize outside their neighbourhood, and for individuals of different status (身分) to interact.

I still find it intriguing that individuals often had several pen names for their different activities. Under a pen name, everyone was nominally equal as a devotee of the particular art they were participating in. In contemporary Japan, we still see that it is common to socialize through cultural or other organized activities, like the clubs at university.

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特別公開「着物の虫干し展」
3月21日・22日に京都市指定有形文化財である長江家住宅において、「着物の虫干し展」が株式会社フージャースホールディングス主催、立命館大学アート・リサーチセンター共催にて開催されました。
新型コロナウイルス感染症の影響で、2019年夏の屏風祭以降、1年半ぶりの特別公開となった今回の特別公開は、感染症予防のため定員を設けた公開でしたが、多くの方にご来場いただき、2日間で50名以上の見学者を迎えることができました。

長江家住宅は代々、呉服卸商を営んできた長江家が店舗兼住宅として使用してきた、典型的な職住一体の京町家の佇まいを今も受け継いでいます。
今回の特別公開では、長江家住宅の土蔵に保管されている着物の虫干しを兼ねて展示を行いました。
祇園祭をこよなく愛し、船鉾を支える旦那衆の一人、囃子方としても活躍した長江家7代目当主が祭の様々な行事で着用していた夏の羽織などを中心に、日常的に着用されていた普段使いの着物も展示しました。
また、各部屋には商売道具や日用品も展示され、当時の洛中の商家の暮らしや商売の一端を垣間見ることができました。祇園祭の羽織にあしらわれている家紋とは異なる、商売用の紋も家のいたるところで見ることができます。

これと同時に離れ座敷では、ARCが調査研究している長江家旧蔵の染織資料のデジタル・アーカイブの研究成果も展示されました。

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長江家住宅について
長江家住宅は、江戸末期に京都市の中心地に建てられ、京都市指定有形文化財の指定を受けています。
主屋は二階建ての伝統的な表屋造りで、禁門の変による京都大火で焼失した後の慶応4(1868)年に再建された北棟と、明治40(1907)年に建設された南棟、離れ座敷、蔵などがあります。
建物の一部は近年復原修復工事が行われましたが、住宅のほとんどの部分は一世紀以上の年月を経たものです。
表側は商売に、奥は生活にというように、各部屋は用途に合わせて使われて来ました。離れ座敷は婚礼など特別の機会にも使われていたようです。

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ARCの研究について
ARCは長江家住宅の保存・研究に長年関わってきました。掛軸、屏風、着物や日用品を含む所蔵品の調査とデジタル・アーカイブを行う中で、それらの資料は立命館大学が寄贈を受けました。最近の調査では着物や帯の図案帳や紋帳、商品簿等が土蔵から見つかり、長江家の呉服商としての幅広い業態も明らかになってきており、これらも今回の展示で紹介しました。
ARCは、引き続き、調査、デジタル・アーカイブを通じて、長江家コレクションのデータベースを充実させ、日本文化資源の保存に貢献していきます。

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長江家住宅(リンク):公式ホームページ  フェイスブック インスタグラム

主催:株式会社フージャースホールディングス
共催:立命館大学アート・リサーチセンター

Professor Tsukamoto, thank you for your time today.

As the leader of the FY2020 ARC-iJAC project "Construction of a 3D Model Database of Japanese Armor in the Collection of the Tokushima Castle Museum, Tokushima City", could you please tell us the reason why you started this project?

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Prof. Tsukamoto: This project started around five years ago. At that time, SfM (Structure from Motion)--a technology that generates point cloud data from drone photography and the video and images captured--had just begun to attract attention in the fields of surveying, archaeology, and GIS. Yet, databases with two-dimensional images were mainstream.

We thought that, depending on the type of cultural property, it would better to create and store three-dimensional data to preserve their features in a digital archive more accurately. Around that time, I had the opportunity with Tokushima University to work on the 3D measurement of archaeological sites and collaborative projects with local museums.

I thought about the possibility of creating a three-dimensional archive of cultural properties held by local museums that would appeal to the local communities.

52nishiura_1.jpgProfessor Nishiura, thank you for your time today. Can you please tell us more about your area of research?

Prof. Nishiura: I joined the College of Information Science and Engineering at Ritsumeikan University in 2004. My research focuses on acoustic signal processing, acoustic systems, and sound interfaces, amongst others.

I conduct integrated research on the analysis, understanding, reproduction, and synthesis of a sound environment to improve society through sound. My goal as a researcher is to create a sound environment for people to live comfortably.

Could you please elaborate on this?

Prof. Nishiura: A practical example may be the visit to the dentist. Many people feel uncomfortable with the dental drilling sound. I have researched and developed a technology of sound esthetics, also called noise-masking so that people are not bothered by the unwanted noise by overlapping it with a pleasant sound.

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Furthermore, I have been investigating audio spot technology, a technique to transmit sound only in a specific area. Loudspeakers utilizing ultrasound waves have a higher directivity and can form a narrow audible area to a particular listener, i.e., the audio spot.

This is useful for exhibitions at museums, for example, when you would like to give visitors information relevant to each exhibited object.

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