◆7.0歌舞伎と浮世絵目次

忠臣蔵と浮世絵

 浮世絵の画題の中で、もっとも多く描かれたものに「忠臣蔵」がある。忠臣蔵は、その討入り事件が江戸人にとって大変インパクトがあったと同時に、同時代の事件を芝居や小説にしてはいけないという約束があったにも関らず、その間隙を縫って数多くの作品に文芸化されたていた。中でも、寛延元年(1748)に大阪の竹本座で初演された「仮名手本忠臣蔵」は、その完成度が高く、翌年までには、主要都市で歌舞伎化され、とくに将軍お膝元の江戸では、官許の大劇場3座がすべて「仮名手本忠臣蔵」を出し、競演となって、江戸にはなくてはならない演目としてそれ以降頻繁に上演されたのが、「忠臣蔵」物を多くした原因である。
立命館ARC所蔵の忠臣蔵浮世絵

 忠臣蔵の浮世絵には、その各段を画いた、揃い物の作品が数多く残されている。当時の主要な絵師の内、忠臣蔵の揃い物を描かなかったものはないといってよいほど、その作品数は多い。とくに、横絵の判型で描かれるものの多くは、浮絵と呼ばれる遠近法を強調した描写法で画かれている。

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