2007年01月16日

●歌舞伎の基礎資料―研究史と展望―

児玉竜一氏他による東京文化財研究所無形文化遺産部の学術講座の記録。
レジュメのみが提示されているが、番付や絵画資料、台本などの研究史が説かれていた模様。
これから歌舞伎史を勉強しようとする大学院レベルの学生に便利なメモ。
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●舞踊劇の完成

それまで、女方の専売特許のようになっていた舞踊であるが、しだいに立役にも名手があらわれてくる。中村輔五郎や市村羽左衛門が、宝暦期には浄瑠璃所作事を頻繁に出していくが、それより少し遅れて、中村仲蔵が頭角をあらわし、常磐津や富本という豊後節の隆盛と相俟って「関の扉」「戻り駕」などの名作が次々と生み出された。

 

●変化舞踊の隆盛

●舞台機構の革新

せり上げ
 宝暦三年十二月「けいせい天羽衣」 並木正三 
回り舞台
 宝暦八年十二月「三十石☆始」 並木正三
がんどう返し
 宝暦十一年十二月 「秋葉権現廻船語」で竹田治蔵が考案

●やつし事

「やつし」とは、もともと高貴な身分の人が零落して、下賤な姿となって演技することで、職人や商人となってさまざまな可笑しみをともなった演技をみせた。元禄期の代表的な演技に「やつし事」がある。それをもっとも得意としたのは、坂田藤十郎であった。

●金平浄瑠璃と荒事

坂田の金平に人気があったので、金平物といわれるようになった。市川団十郎の生み出したとされる荒事は、万治から延宝期に大流行した人形浄瑠璃の金平物からの影響が強いといわれている。
金平物は、源頼光、頼義、義家を主君とする四天王やその子の四天王らが活躍する浄瑠璃作品である。

2007年01月13日

●見得(みえ)

歌舞伎の演技のひとつ。一連の動作・演技の中で、感情・状況などの一つの頂点に達したときに、一瞬動作を止め、観客にクローズアップ、あるいは静止画で見せるかのような効果的な演出。