F1.2彫

『的中地元問屋2巻』
著者・絵師:十返舎一九
書型:中本、2冊
出版:享和2年(1802)
出版者:村田屋次郎兵衛
所蔵:国立国会デジタルコレクション 作品番号:2537597


彫師の仕事内容を「板屋」の存在と共に軽く触れておくとする。

草双紙などに描かれている文章や細かい絵の描写を版木で彫るには高い技術を必要とする。そして、その彫において重要なのが「板屋」と呼ばれる業者である。草双紙や浮世絵といったものを緻密に彫り上げる際の版木には、材木屋ではなく版木専門の業者「板屋」が表面を極度に滑らかにしたものを提供していた。そのことによって彫を行う際に鑿などが版木に引っかかることなく、版木を彫ることが出来たのである。