A2.3 絵手本と画譜

雅興筆意畫圖絶妙』巻三
編著者:山本信厚
書型:大本 3巻3冊
出版:明和9年(1772)
所蔵:立命館ARC  作品番号:arcBK01-0169-03
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 絵手本は、絵師の教本に活用され、一般の人にとっては、見て楽しめるものであった。元々眠っていた絵手本が出版できる元禄になって無名の絵師によって写本になり絵手本が大きく注目される。その後画題や技法の説明を含み、一般人も活用し絵を練習した。画譜は絵手本より漢画系が中心になる。絵手本や画譜は、様々な画題や技法を類型的にまとめる媒体として機能し、市場で価値に注目され流れは継続していく。その後も特定の分野をまとめた「~尽くし」「~揃え」として登場する。
 このページにおいては画題として、七福神における布袋が描かれているが、絵が描かれている画題は様々で人物や自然などを問わない。絵とそれが何かを示す画題名が同じページに記され、冒頭には目録があり絵の教科書としての機能的な側面も兼ね備えている。(Y)