C4 「つくし」と「揃へ」

『獣芸尽』
絵師:近藤清春ヵ
書型:中本 1冊(赤本)
出版:享保15年(1730)頃ヵ
所蔵:立命館大学図書館'(西園寺文庫) 作品番号:SB2231.

 共通点は「擬人化」の他に、「〇〇尽くし」が挙げられる。〇〇尽くしとは、物語の中もしくは1枚の絵に、同じ物が描かれている手法を指す。ここで例として挙げている作品は、『獣芸尽』である。『獣芸尽』では象をはじめとする、熊、虎、猪、馬など大型動物が芸を披露している絵が描かれている。しかし当時に渡来の記録がない動物も描かれているため、実際に興行されていない芸も含まれていると推測できる。
 今日の子ども絵本でも沢山の野菜が登場していたり、虫の世界の物語があったりなど、なんらかの縛りがあり、その縛りに従って物語が進められているものに心当たりがあると思われる。つまり、江戸期の子ども絵本と今日の子ども絵本には、〇〇尽くしは共通して使われた手法なのである。(浅)

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