D3 絵入年代記
-
-
『新補倭年代皇紀絵章』巻三
編著者:未詳
書型:半紙本 7冊
出版:安永8年(1779)
所蔵:立命館ARC(白樺文庫) 作品番号:shiBK02-0090.年代記とは、歴史上の重要事件や天変地異などの時代を追って表示した書物である。通常は一冊から数冊だが、江戸後期には一枚物の年表形式も登場する。その年代記にも絵が入ることで読者にとってより分かりやすいものになっていく。また時代だけの記録にとどまらず、絵本など特定の事物や物語などの経歴をまとめる分野も増えていく。年代記に絵が入ることで読み手にもわかりやすく、様々な分野を理解することへ役立ったと考えられる。さらに歴史という既成のものを売り物にするというメリットも生まれた。
本作は名前の皇紀からわかる通り各天皇の治世に何があったのか記録されている年代記である。このページでは第46代の考謙天皇の治世について書かれており、ページの下部が歴史の流れ、上部が印象的な出来事を絵にした構成になっている。このように歴史という記録物に絵が導入することによって、より多くの人々が歴史を知る機会が増えた。(Y)