D1 図彙
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『人倫訓蒙図彙』巻二
絵師:蒔絵師源三郎
書型:半紙本 7巻7冊
出版:元禄3年(1690)
所蔵:大英博物館 作品番号:JH047.
図彙とはいわばビジュアル百科・図典である。日本では、寛文6年(1666)に出た中村愓斎編『訓蒙図彙』が早い。全二十巻十四冊あり、内容は事物の名称を、正名・異名・和名・俗称で記し、形状を図で示している。図は、『三才図会』『農政全書』などにより、『倭名類聚抄』『下学集』『多議編』なども参照しており、いわば日本と中国(明)がブレンドされた図典であった。
『訓蒙図彙』は多くの人に迎えられ、改訂増補版だけでなく、特定分野を対象ながら、この形式を真似た作品群が生れていく。その一つに『人倫訓蒙図彙』がある。ここでは、様々な階級の人物と、その人々が使う道具の図を並べて紹介している。取り上げる項目は496、文中触れられているものも含めればその数は500にも上る。絵師は、蒔絵師源三郎とあるが、すべてを描いているわけではない。
内容には現在では正確性を疑うようものもあるが、当時の常識的な知識がこの書で分かる点で価値が高い。(Ya)【会場展示作品】
大正末・昭和初期の複製本
所蔵:立命館大学図書館(文献資料室) 作品番号:370.9J. -
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