B2.3 武者絵本と武者絵へ

『絵本高名二葉艸』
絵師:月岡昌信
書型:大本 3巻1冊
出版:文政2年(1805)
所蔵:立命館ARC 作品番号:arcBK01-0077.

 本作は武者尽くしに分類され、そのなかでも後期の作品に当たる。後期は説明と絵の場所が分けられていることが特徴の一つである。説明の部分が別々のページに分けられ説明書きも複数人でまとめられている。このような絵本の登場によりそれまでの教養としての武者とは異なり、憧れとしての武者へと変貌を遂げていく。その結果、歌川国芳の水滸伝などの浮世絵などにもその人気は発展していく。
 本作の表示絵は月岡昌信による『絵本高名二葉艸』であり、両開きで描かれているのは源頼朝である。本作では、絵の前にその武者に関する説明が書かれている。(Y)