B2.4 武者絵本の一代記

義経一代記
絵師:長谷川小信
書型:豆本
出版:明治初年(1868)頃
所蔵:立命館ARC  作品番号:arcBK05-0002.

 一代記は一人の人物を取り上げてその生涯を紹介するものである。一人に対して着目したものは教養の側面もあるが、物語本として娯楽の側面も読者にとって強い。同時に、それまでは武者絵だったものが順序を持つことによって一人の人物史、歴史絵に変貌するのである。一代記のような書物が注目されたことには当時の幕政が大きくかかわっている。天保の改革でそれまで市場の中心だった美人画などが規制されていった。その結果、歴史・教養への興味というものがもたれるようになり一代記は大衆に読まれていった。
 本作は『義経一代記』で名前通り義経の一生を追ったものである。鞍馬山の修行に始まり、このページは、牛若丸(源義経)が弁慶と戦う場面である。(Y)