B3.5 似顔指南

『役者似顔早稽古』
絵師:歌川豊国〈1〉
書型:中本 1冊
出版:文化14(1817)
所蔵:立命館ARC 作品番号:hayBK03-0802.

 版元鶴屋喜右衛門より墨摺りで刊行。序は十返舎一九による。
一般の人々が役者似顔を真似て描いて楽しむために向けられた、役者似顔の指南書。
まず初めに「役者似顔画法」として顔のパーツを書く順序やそれぞれの特徴を詳細に解説する。
次に顔と鬘、全身の書き方をそれぞれ項目別に記し、その後に23名の役者の半身像が似顔で描かれている。
取り上げられた役者についての情報は時期に合わせて改刻され、数度に渡り再販された。
この作品の人気が示すように、人々の間では人気絵師による役者似顔を模写して楽しむという習慣が流行し、役者絵本は役者似顔の絵手本としても受け入れられていた。
また、錦絵の商品化等によって役者絵の需要が増え多忙になった絵師が多数の注文に対応するため、役者ごとの似顔の描き方の特徴や型がストックされていったことも読み取れる。(I)