B2.5 歴史人物の一代記

『天満宮御一代記
編著者:岡野是重(序)
書型:中本 1冊
出版:文化7年(1810)
所蔵:立命館ARC 作品番号:arcBK03-0010.

 一代記とは、一人の武者に注目したものであり、その生涯を知ることが可能になるものである。それによってそれまでの武者絵から歴史絵へと変化する。また、後期には、武士だけではなく菅原道真や日本武尊など知識人や神話の人物まで取り上げ有られるようになる。それまでは武者のみが英雄視されていたが英雄と認識される幅が広がり様々な人物が題材として取り上げられる。このようなことからも、一代記の武者絵が従来と違う歴史絵の側面が理解できるだろう。
 本作は菅原道真の一代記であるが、道真が死後、復讐することで北野天満宮が成立するまでの経緯までが書かれていることが特徴である。このページでは、朝廷に復讐する菅原道真が描かれている。(Y)