E4.6 見立て
『百化帖準擬本草』
編著者:山東京伝(作)北尾重政(画)
書型:中本 3冊
出版:寛政10年(1798)
所蔵:立命館ARC 資料番号:hayBK03-0007.


「見立」とは、「あるものを別のものになぞらえて表現する」ことである。しかし、単純な比喩とは違い、列挙やなぞなどの要素を含むことも多い。今回の「百化帖準擬本草」では、日用品(物干し竿等)が花や鳥に姿を変え表現されている。「見立」と言う概念は日本の表現文化を語る上で重要であると言えるものであり、もともとは俳諧の世界で使われた用語である。それが歌舞伎や絵本などに伝播していったものとみられる。
「百化鳥」は、宝暦年間以降の江戸見立て絵本の基盤とも言えるモチーフであり、見立て絵本の歴史において重要なモチーフであると言える。作者である山東京伝は江戸時代中期の戯作家である。彼自身江戸見立て絵本の歴史を語る際には外せない人物であり、数多くの洒落本などを製作している。
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