E4.7 絵兄弟

『絵兄弟』
作者:山東京伝
書型:半紙本 2巻合1冊
出版:寛政6年(1794)
所蔵:立命館ARC 資料番号:hayBK03-0796.

 絵兄弟は見立ての一種で、見開きのページで1つの組み合わせとして、立ち姿など、構図は似ているが中身はそれぞれ異なる事物を配置し、それを兄弟という対に見立てているものである。この「絵兄弟」に類似した見立ての方法として、「絵姿合」なども存在する。形式はほとんど同じで、それぞれの絵を対として描き、そこに戯文を添えている。もともとは其角が作った『句兄弟』にて、絵ではなく、句を兄、弟としてどちらが相応しいかを競ったものを、山東京伝が見立て戯画に転じて作成されたものとされている。
 ここに展示した『絵兄弟』は全てが見開きの絵によって本が進行していくのではなく、後にそれぞれの組み合わせごとに解説が加えられている。この本の面白さとしては、やはりタイプの異なるものがそれぞれの共通点に沿って見開きで描かれている点、絵から解説へと滑らかにつながっている点が挙げられるだろう。(n)