A1.6 ストーリーの視覚化

『小夜姫唐舩』
作者:未詳
書型:中本 3巻3冊
出版:宝暦8年(1758)
所蔵:立命館ARC 作品番号:arcBK03-0078.
 
 テキストを視覚化できるのが絵だとすると、そこに時空間を重ねて行けば、ストーリーを展開できることになる。絵巻でもそれは可能だったが、「めくる」という行為によるコマ割りができる絵本では、より複雑にそれを展開できるようになった。日本では、さらに一枚の板木に絵画と文字をフレキシブルに混在させ印刷する「整版印刷」により画文一体のコマで表現する草双紙というメディアを生んだ。すなわち、複雑で豊かなストーリをビジュアルに展開できるようになったのである。(a.)