A1.7 図解として

『千羽鶴折形』
編者:露菊(序)
書型:半紙本 1冊
出版:寛政9年(1797)
所蔵:メトロポリタン美術館 作品番号:2013.824.

 最後に、図解の機能を付加えておきたい。言葉で説明しても上手く伝わらない複雑な工程は、ビジュアルな説明に限る。まさに本書のような絵本が生れる素地はそこにある。ただし、実際、折り紙の折り手順は、もう少し多くのイラストを加えて丁寧に説明しないと、この図通りの形で完成させることは難しいであろう。
 参考図は、忠臣蔵の各段の折り紙で作ったジオラマの製作を図解する一枚摺である。解説絵本にすることもできるが、一枚摺の方が「忠臣蔵」という一つの物語の十二の場面を一覧しながら製作するのに適しているであろう。すなわち、様々な作品の製作方法を列挙(尽す)場合に絵本が有効に機能するのである。


【参考図】
「折形手本忠臣蔵 十一段」
出版:明治期
所蔵:赤穂市歴史博物館 資料番号:AkoRH-R0260-01

作品番号