A3.7 ちりめん本

『Japanische Dramen Terakoya u. Asagao』
編著者:Von K. Florenz
書型:中本1冊(縮緬本)
出版:明治33年(1900)9月刊・大正3年(1914)4月第七版
発行者:東京 長谷川武次郎
所蔵:立命館ARC 資料番号arcBK02-0134.

 縮緬本とは、明治18年から長谷川武次郎・弘文社が出版した絵本で、縮緬絵の技術を使って印刷された各丁を縮緬絵化して、それを冊子にした絵本である。縮緬本の出版は大正期まで続けられているが、昭和40年代ころまで、日本を訪れた欧米の外国人向けに販売されていたという。縮緬絵の技術は、一時途絶えていたが、平成14年に、株式会社大入の社員であった栗木衛氏の研究により再現された。
 縮緬絵の技術はいつ発明されたのかは、ほとんどわかっておらず、幕末頃という記述が多いが、文政末頃の編纂になる『許可脚色貼』(早大演劇博物館蔵)には、数多くの縮緬絵が貼り込まれており、そのころには使われていた技術であると思われる。
 アート・リサーチセンターにもいくつかの縮緬本収蔵されており、本書は、一般的に知られている '
Japanese Fairy Tale Series' とは異なり、大人向けの内容となっている。本書は、独語版であるが、縮緬化していない仏語版、かつ平紙版(縮緬化していない)も所蔵している(arcBK01-0177)。
 なお、栗木氏のご尽力により制作された平成版縮緬本も展示する。

【参考出品:実物展示のみ】
『ちりめん本 水木しげる作品集』
書型:横本1冊(縮緬本)
著者:水木しげる 製作:栗木衛
制作:平成14年(2002)
所蔵:個人蔵.